第12話
ダンジョン入口に戻って来た三人は先ず退場する為職員のいる退場受付と書かれた場所へと向かった。
「退場したいんだが?」
「ええ!?もう帰られるのですか?まだ入場されて二時間くらいしかたっていないですが」と後ろの魔道具の時計を指差しながら言う職員の女性。
「ああ、クリアしたんでな!」
「ええ!?この短時間でクリアしたんですか?」
「そうだぞ!雑魚ばっかですぐ終わっちゃったけど楽しかったな~」とひょこっと顔を出して感想を語るロイド。
「そ、そうなんですね・・皆さん基本的には5階毎やレベルを上げながら日々分けて少しずつ攻略されるのでいくら初級とはいえこれだけ時間で踏破まで行くとは思いませんでした。」と驚愕顔の職員。
「そうなのか?簡単すぎて全く気にしてなかったな!」
「間違いなく過去最速記録ですね!あっこれで退場手続き完了しましたので、またのご利用お待ちしております。」と言われ三人はそれぞれ返却されたギルドカードを懐にしまい建物を出て南門を抜けギルドに向けて歩きだす。
まだ夕方には早い時間帯からなのか南門近くの屋台通りの人通りはまばらであった。
「お?昼時に来てくれた坊主じゃないか親父さんとお袋さんとダンジョンに行ってきたのか?」
「うん、そうだぞ!結構楽しかった」
「そうかい?それは良かった」
「今ギルドへの帰り道なんだ、また寄らせてもらうよじゃあな」と店主に挨拶をした後少し歩くとギルドがの看板が掛かった建物が見えてきた。
ギルドに到着し中に入ると時計は4時半過ぎを指していた、ちょうどステラの受け持つ場所が空いていたので魔石やアイテムの清算を行う為話しかけた。
「やあ、初級をクリアして今戻ったよ!」
「結構楽しかったな~」
「まあまあだったわオークがいなければだけど・・」
「お疲れさまでした!まあ!良かったです。」と微笑むステラ。
「あ~買取をお願いできるか?」と手に入れた魔石を出してゆく。
「はい、大丈夫です」と言ってテキパキと清算を済ませて硬貨を乗せた小さな台を持って来るステラ。
「えっとスライムの魔石は1個あたり銅貨一枚、ゴブリン系統の魔石は1個あたり銅貨三枚、ホブゴブリンは銀貨一枚、ホブゴブリンエリートは銀貨二枚、ゴブリンジェネラルは銀貨五枚、オークは銀貨二枚、ハイオークは銀貨三枚になりまして今回の合計は、金貨11枚銀貨8枚銅貨8枚になります。
「初級にしてはまあまあじゃないか?」
「お金は私が管理しますので!」と言いつつ硬貨の入った袋を受け取るニーナ。
「分かりました、その方が良さそうですね!」と横でこれでいっぱい食べれるね等の会話が聞こえ察するステラ。
そして昨日から泊まっている宿に戻ってきた三人は宿屋の女将さんに夕食の注文を入れる。ちなみにここの宿屋はランクはそこそこで従魔もオッケーで食事別料金(一食銀貨1枚)の意外と三人とも気に入った宿であり名前は小鳥のさえずり亭と言う。
「おばちゃんただいま~腹減ったよ!」
「おや、戻ったのかい?」
「はい今戻りました」
「今日も夕食頼む!」
「もうお願いしますでしょ!まったくもう!」
「ハッハッハ!良いってことよ気にすんな!よし飯だな今日のメニューはレッドボアの生姜焼きだ」
「やった!あの屋台のボアの生姜焼きも旨かったからな~」と涎を垂らしながらロイドが言う。
「何?食ったのか?そこは俺の弟がしている屋台だからな!」
「そうだったんだ確かにおっちゃんとよく似ている気がするな!」
「そうだろそうだろ?」
「あんた早く厨房に行きな!」
「おっと怒られちまったな、じゃあ作ってくるから待っててな坊主」と奥の厨房へと消えて行った。
その後少し早い夕飯食べ次のダンジョン中級の情報を再確認するため家族会議を行った!
「明日からの中級は出現魔物もそうだけど、罠が場所によってはあるらしいから先走らない様にするのよ!特にロイド分かってるの?」
「分かってるって」
「本当に分かってるのかしら」とジト目のニーナ。
「まあ本来なら盗賊職にサーチしてもらうのが早いらしいがロイドも使えるだろ?」
「う~んあれは疲れるからあまり使いたくないんだけどしょうがないな!やるよ父さん」
「よしこれで決まったな!道中の罠はロイドのサーチで避るかまたは俺たちで突破して宝箱が出た場合はサーチしてから開ける良いな?母さん」
「そんなこと言われなくても分かってるわ問題はこの子でしょ?」
「大丈夫だって!」
そう中級からはボス等が宝箱をドロップするのだ!宝箱には罠の仕掛けがある場合があるとギルドから聞いていたニーナはそれを今も息子に言い聞かせていたところだったのだ。
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