第10話
受付まで戻ってくると時間帯なのか、もの凄い混みようだった。皆一様にクエストの依頼ボードから少しでも良い依頼をと吟味して次々受付まで持って行き、依頼受理の手続きを行い各々の目的地に向かって移動して行く様子を見た三人は、目的のダンジョンの場所等を聞くため受付が空くのを待っていると、腰に少し短めの剣を二本帯刀したすらっとした赤髪の青年が声を掛けてきた。
「なああんたは昨日ルードさんをブッ飛ばした男だろ?確か息子もめちゃくちゃ強いって聞いたが?」
「ああ、それは俺たちの事だな!何か用か?」
「いや~何、どんな怪物かと思ってたが見た目は普通の男だから最初は分からなかったから聞きに来たんだ。何だ?知らないのか?今何か凄い噂になってるぞ凄い家族が冒険者登録しに来たってな!」
「そうなのか?まあそう言われてみれば確かに昨日から遠目でチラチラと見られているなとは思っていたが・・・」
「そりゃ~登録初日で元Aランクと現役のSランク冒険者を簡単に伸しちまったら噂にもなるだろう!あっ名乗るのが遅れたな、俺はAランク冒険者レッドだ!ジョブは、見た目通り双剣士だよろしくな」と話していると「おーい、レッド行くぞ~」とパーティメンバー達から呼ばれて
「ああ今行く!また今度模擬戦しようぜ!悪い!仲間が呼んでるからこれで」と言って去って行った。
そして丁度受付の窓口が1ヵ所空いたのでそこに行くとステラがそこの担当と交代してこっちに来た。
「アレンさん達は私が担当する事になりましたのでよろしくお願いしますね!」
「ああよろしく頼む!」「こちらこそよろしくお願いしますねステラさん!」「よろしくなねえちゃん!」「コラ!ステラさんでしょ!もう!」
「えっとそれでは、先ずこれがダンジョンのルールや仕組み等、ダンジョン内でのマナー等が書かれたダンジョンBOOKです!今回は無料ですが再発行は銀貨2枚必要なので失くさないようにお願いしますね」とステラから手帳サイズのダンジョンの歩き方という本を受け取った。
「先ずは一度だけ説明しますね!この街のダンジョンは初級、中級、上級の三種類となり各20階層まであり、場所は南門を出て直ぐのところにある建物の中に各難易度の転移ポータルがあるのでそこから手続きをしてから潜るという流れでそれと基本的にダンジョン内のモンスターは倒すと消えて無くなり、アイテムが確率でドロップしますのでそれを回収し不要品はギルドで売買い取り致します。」
「エッ!?消えるの!?焼却しなくて良いなんて楽チンだね!」「そうね、倒した魔物の死骸は放置すると他の魔物が寄ってくるから困るのよね~それにコイツらめちゃくちゃ倒すから群れなんかと出会ったら間違いなく面倒になるのよね~」
「確かにそうですね!アイテム等も放置すれば勝手に消えますので、おそらくその点は問題無いでしょう」
「やったね狩り放題だね!」
「ですが、一つ注意が必要でダンジョン内は他の冒険者の方もいらっしゃいますので救援要請等が無い限りは獲物の横取りに成りかねないので基本手出し無用でお願いします。続けますね、あと各五階層毎に中ボスが存在し、倒すと帰還ポータルと次の階層への階段が出現し、帰還した場合は次の探索をその階層から続けて行うことが出来ます。そして基本的にこの街のダンジョンは初級を踏破しないと中級に挑めませんし、上級も同じですのでご注意下さい説明は以上になりますが、よろしいでしょうか?」
「ああ、色々世話になったありがとう!」
「よし今日は一気に初級をクリアしてくるか!」
「行こ行こレッツゴー!」
「ガウガウガ~」と拳を上げてやる気満々のロイドとレオン。
「ハア~あんた達元気すぎでしょ!」と半分呆れながら、ニーナはギルドを出てダンジョンポータルがある建物に二人と一緒に向かうのだった。
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