第5話

扉を開けてライトニングのメンバーと一緒に中に入ると夕方だった事もあり、かなり混みあっており仕事帰りの冒険者で併設されている酒場もほぼ満席であった。


「私は今からあんたらが倒したブラッドジャガーの変異種について、ギルマスに一応報告してくるからここで先に登録でもしておいてくれ」

「わかった、ん?てかあれ変異種だったのか?まあ確かに色が少し違ったような?」

「まあいいんじゃないかなあんな雑魚。山にはあれよりも強いのがゴロゴロいるし、ね!父さん」

「確かにそうだな」

「ブラッドジャガーを雑魚扱いとか・・まあ今回はあなた方に出会ったおかげで今がありますから良しとします」

「じゃあ行ってくるから案内してやってくれ」

「俺は疲れたから飲んでくるわ」と、グロウズは先に酒場のほうへ行ってしまった。

「仕方ありませんね、ちょうど受付も空いてますし私が案内しますね。」とリナ。

「リナさんごめんね~ほらあんた達行くわよ!」

「やっと登録出来るの?ほら父さん早く早く!」とロイドはアレンの手を引っ張りながら急かす。

「こんばんわーあら?リナじゃない依頼はどうだった?」と茶髪の眼鏡をかけた長髪の受付嬢がリナに聞く。

「ブラッドジャガーの毛皮のために討伐依頼受けたけど、大変でしたよもう~今回はマジで死にかけましたよ!やはり実入りは良くても魔の森は危険だから行きたくないです。」と顔を顰めながら言うリナ。

「え!?皆さん無事なんですか?」

「お陰様で無事よ!この方たちに助けてもらったの」とアレン達家族を紹介するリナ。

「そうだったんですね!ライトニングの皆さんを助けて頂きありがとうございました。」

「いえいえ私たちは森でたまたま出会っただけですから」とニーナが答える。

「ねえ母さん早く登録してダンジョン行こうよ~」と二人の間から顔を覗かせるロイド。

「ああ紹介がまだでしたね、私はドーラのギルド職員ステラです」と紹介される。

「俺はアレン」「私はニーナよ」「俺は息子のロイドだぞ!でこいつは友達のレオンだぞ」と各々紹介する。

「にしてもあんな雑魚で死にかけるとか大げさじゃないか?」

「そんなことないですよ!あれはブラッドジャガーBランク上位の魔物ですよ!?しかも変異種に加えて全部で20匹以上いたんですから、あんなのAランクパーティー3チーム以上必要だと思います」とリナが思い出したかのように震えながら言う。

「え?と言うことは推定A+以上のランクの魔物の群れを倒したということですか?登録まだですよね?今までどちらに住んでいらしたのですか?」とリナからの話で信じられないという顔で聞き返すステラ。

「なんでも彼らはあのアークマウンテンに住む少数部族らしいですよ」と掻い摘んで聞いたことを説明するリナ。

「はあ!?あの山中に人が住めるんですか?まずそこに驚きなのですが・・」

「ああ俺たちそこで住んでるぞ」

「あそこは良い!狩りで取れる食材は旨いし、色んな自然の食い物があったな、でもやる事と言えば訓練や体を鍛えることくらいしかないからな~」

「まあ確かにそれは同意するわ、でも今日ここまでの道のりだけだったけど色々なお店などがあって村とは全然違うからこれからの楽しみが増えたわね」

「そのためにまずは金とか手に入れないとならんからな、聞いた話だとまずは登録しとかないとダンジョンにも入れねえみたいだしな」

「了解しました。では、まずこちらの紙に名前と・・っと先ほどのお話ですとジョブ等はまだ分からないと思いますので、この後鑑定の魔道具で鑑定いたします。・・あの~それでロイド君はまだ10歳と言うことですので、登録は規則で12歳以上でないと出来ない決まりになっているんですが、聞く限りかなりの腕前と言うことですのでこの後鑑定前にギルドの職員の方と戦っていただいてそれの結果次第という事になりますがよろしいですか?」

「ロイドそれで良いか?」

「相手をぶっ飛ばせば良いんだろ?余裕余裕~」

「分かりました、ではギルド裏手の訓練場でお待ちください。私はこれから試験官の方を呼んできますのでこの職員の方に付いて行って下さい」とステラは伝えると試験官を呼びに行き、代わりに別の職員が現れ三人は受付を後にし訓練場へと向かうのだった。

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