第2話

翌朝村の中央で村長が村人全員を集めていた。

「おいアレン何か聞いたか?」と聞くのはアレンの友キールである。

「いや何も聞いてない」とアレンが答える。

「そうだよな~お、ロイドおはよう」

「キールおじさんおはよう~」

「オジサンか~もう俺もそんな年か・・お前のところは良いよな子供出来て」

「まあしょうがねぇだろ!何故か此処の者たちは子供が出来にくいからな~」

「このままだと俺たちアーク族はいつか絶滅しちまうんじゃねか」

この村の者たちは皆黒髪黒目の者しかいない、それがアーク族の見た目であった。

そして代々外界との接触をせずに暮らしてきた。

「ウォッホン、皆の衆よく集まったな!」と村長が演説を始める。

「実はの日々刺激がない皆に娯楽をと思ってな商品付きの武術大会を開催しようと言うわけじゃ」

「それじゃあいつもの狩りや喧嘩、修行と一緒じゃねか」

「そうでもないらしい」

「商品は外界に出る権利か?面白そうだな」と思案顔のアレン。

「父さん出ようよ楽しそう」とうきうきのロイド。

「トーナメント式の勝ち抜き制か、と言っても人数なんてたかが知れてるがなお前は出るのか?」

「やめとくわ、俺今日狩り行かないと食料が少ないから嫁に遊んでたらどやされそうだし、それにお前に勝てるやついるのかよ」とキールは溜息吐きながら仕事に出て行った。

結果はアレンの圧勝。

皆口々にアレンは強すぎる、あれは反則だと言う。

「武術のみとは言えさすがじゃな!」と村長が笑う。

「で商品の事だが良いのか?確か外に出るのは禁止というのが掟では」アレンがそこまで言うと村長は前に手を出し「この村もこのままでは何れ滅びる、ならば1家族ぐらい外に出しても良いのではないかと、ふと思ったんじゃよ」と空を見上げる村長。

「わかった有難く頂戴して出るとする」

「いつ立つのか決めたのか?」

「明日立つことにするよ、ロイドも外に行きたいと常々言っていたしな」

家に帰ったアレンとロイドはニーナも交えて今日の話を夕飯の時にしていた。

「と言うことなんだが、明日立つことに決めた」

「決めたって、あんたねえ!はあもういいわ分かったわ」と旅支度を整え始め、皆に挨拶回りをしてアレン達は床に着くのだった。

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