最強家族の冒険譚

１章

第1話

此処は異世界、名をノアと言う。

四大国の凡そ中心にある魔の森の更に奥に聳え立つ山、「アークマウンテン」の麓に少数部族の村がある。そこでは、村人たちが魔の森や山に住む魔物を狩り暮らしていた。その人口１００人にも満たない小さな村に、この物語の家族も暮らしていた。

「アハハ！レオン待て待て～」

「おーい！ロイド～そろそろ帰って昼飯にするぞ」

「レオンお昼だってさ戻ろう」

「ガゥ」

「父さん、それってマーダーグリズリー？」

「そうだぞ！帰って焼肉と昨日の残りのシチューだってよ」

「あ～腹減ったな～な！レオン」

「ガゥガゥ」

「お帰り～って顔ドロドロじゃない！早く手と顔を洗ってきなさい！」

「ホイホイ～」

「返事はホイホイじゃなくて、はいでしょ！まったく！」

「まあいいじゃんかよ！」

「あなたがそうやってロイドを甘やかすからでしょうが！」と家から聞こえてくる。

男の名はアレン、女の名はニーナ、彼らは夫婦である。そしてさっきの少年は、彼らの息子ロイドである。それと彼の肩に乗っているのがゴールドドラゴンの子供であるレオン。彼らはこの前人未到の危険地帯で暮らすアーク部族の家族である。