ミステリーの書き方
今回は「ミステリーの書き方」についてです。持論として日常系ミステリーを推していますので、ミステリーを書いたことがない人でもある程度書けるように、私なりの書き方を披露します。
みなさん、英語の授業で5W1Hが大事と習ったかと思います。ミステリーに限らず小説ではこれが大事になるので、順に見ていきましょう。念のため5W1Hの内容を書くと「いつ、誰が、どこで、何を、なぜ、どのようにして」となります。ミステリーでは特に「どこで」、「なぜ」と「どのようにして」が重要です。
まずは「どこで」です。これは雪山の山荘や嵐の孤島を舞台にするいわゆるクローズドサークルにするか日常系にするかで大きく違います。クローズドサークルの場合、大きな問題点があります。これは「なぜ」にもつながりますが、クローズドサークルの状況になったのが人為的なのか、自然災害によってなのかが重要です。
人為的な場合は誰か特定の人物を殺すのが目的のはずなので、動機の面から犯人がバレやすいです。そうなると読者からも「こいつが犯人だろ」と予想され、なかなか予想を裏切るのは難しいです。
逆に自然災害の場合は「なぜ」自分にも危険が迫っている状況で殺人を犯すのか、納得のいく理由が必要です。
そして「なぜ」殺すのか。よくあるのが金銭・遺産問題、恋愛関係です。それ以外の動機はなかなか扱うのが難しいので、最初のうちはこれらが良いでしょう。ただ、弱点もあって、金銭・遺産問題なら複数の関係者が必要です。犯人を絞らせないためです。すると、複数の人物の描写が必要となり、作者の技量が問われるでしょう。恋愛関係も同じことが言えるでしょう。ただ、こちらは二股だったりを扱えば、犯人候補が少なくて済むので、どちらかと言えばこちらをオススメします。
そして「どのようにして」殺すか。ざっくり分けると事故死に見せかけるか、分かりやすく刃物で殺すか、になると思います。ここで問題なのはどちらを選ぶにしても「なぜ」その方法を選んだのかがポイントになります。ここはトリックとも絡むので作者の腕の見せ所でしょう。
ミステリーの花形といえば密室殺人ですが、これは相当の理由がない限り避けるべきです。密室にする理由は自殺に見せかけるというのが多いのではないでしょうか。単純に刃物で殺された死体が密室に転がっていても読者からは「それ、密室にする必要あった?」と突っ込まれます。
また、ミステリーには叙述形式という読者そのものを騙す方法もありますが、これも初心者は避ける方が無難です。読者を騙すのを意識し過ぎると、書く内容が読者に不利になりやすく、いざ種明かしのときに読者から批判されるのがオチです。
ここまでミステリーの書き方について私なりの考えを書いてきました。日常系ミステリーにも同じ考え方が必要かと思います。今回のエピソードをきっかけにカクヨムでミステリージャンルが盛り上がれば、と思います。
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