初めまして、那智風太郎と申します。
この度は『桜猫企画』にご参加いただきありがとうございました。
「緑の反乱」の後のディストピア。
哺乳動物のほとんどが絶滅の危機に瀕している終末世界において、両親の犠牲のもとに生き残った彼女が命懸けの墓参りを敢行するところに、頼るべき精神の支柱がもはやそこにしかないのだということを痛感させられました。
けれど桜舞い散るその道半ばにおいて黒い色の仔猫を見かけたことで、彼女の中に可憐な花が咲くように希望が見出されたのだと思います。
この後、地下で細々と命を繋いでいる生存者たちがどのような行動を起こすのか、とても気になるところです。
素敵な物語を読ませていただきありがとうございました。
日本が腐海になったなら。そんな世界を、両親の墓参りというイベントだけで書ききっていて、とても面白かったです。福島第一原発事故で帰宅困難になった区域もおそらくこんな感じなのでしょうね。
人間の生存に適さない環境で舞う桜の花、美しい光景でしょうね。
命の危険を顧みず向かう墓参り。黒猫の存在が将来への希望につながりそうです。
企画にご参加いただきありがとうございました。
人類絶滅のディストピア、その中での死者への追悼は散見されるテーマですが、桜と猫の使い方がそれぞれインパクトがあり、主人公の心の動きがきわだっていますね。