ごちそうさま

一の八

ごちそうさま



いつもよく行く店がある。

それは、単純に家から近いからだという理由からだ。


この前もよく一緒に遊ぶ3人 でご飯に行った。少しだけ用事があったので、僕だけ後から合流した。

日曜の夕方という事もあり、少しだけお店も混み合っているような感じがあった。


席に着くと、僕達の隣の席で4〜5歳くらいの男の子を2人連れた家族が食事をしていた。

僕は、なんだかいいなと思いながらも横目で見ていると、

お母さんは、なかなか厳しそうな人だなと思った。

「早くこれ食べて。なんでこうしてくれないの?……」

そんなにいっぱいに言われたら、子供も息が詰まっちゃうよ。

でも、食べ終わった後には

「いっぱい食べれたね。えらいね」

飴と鞭かい。


その家族が帰った後、店員さんが片付けをしていた。

ベテランの人とバイトの子。

ベテランさんがなんだか何とも言えない表情をしていた。

バイトの子が「どうしました?」

ベテランさんが座るとを片付けながら、「これ。」

恐らく、男の子が座っていた席で砂とかそんな感じでザラザラしてたのかな。

ベテランさん「まぁ、しょうがないね。」


片付けが終わると、次のお客様がその席に座った。

大学生くらいのカップルだった。


女の子の方が「こんな綺麗な所に来るの久しぶり」

男は、「あっそう」


2人は、気づかないだろうけど、ちゃんと綺麗にしてくれてるんだよ。


なんか、僕はそうやって大人にさせてもらってきたのかもしれないと感じた。


会計を済ますと、「ご馳走さまでした。」

いつもの言葉がいつでもありたいと、

そんな気持ちでお店を後にした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ごちそうさま 一の八 @hanbag

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画