五章 死者と凶手

第21話 姫様

「リーリー。リーンリーン」

「・・せい・・せい」

「リーリー。リーンリーン」

「・・せい!・・せい!」


心地良い柔らかな鈴の音に混じって

どこか聞き覚えのある声が聞こえた。

次の瞬間、

ボクは体が大きく揺れるのを感じた。


「・・せい!先生!」


ハッとしてボクは目を覚ました。

五代が僕の体を揺すっていた。

いつの間にか僕はちゃぶ台に突っ伏して

眠っていた。


「た、大変です!

 ま、また・・殺されました」

五代の言葉で僕の意識は一気に覚醒した。

「だ、誰が・・?」


「姫様です」

見ると土間に竹千代が立っていた。

「本宅で皆様がお待ちです」

竹千代は抑揚のない声でそう続けた。

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