第三話:もう一人の被害者
俺はその光景をスマホで
俺がそうしてる間にも、奴の目の前にいる俺の歳と同じくらいの青年は鋭い眼光で訴え掛けている。
「お前が柊木市のマンションを燃やしたせいで俺の妹が死んだんだ! どうして、妹を、春海を死なせたんだよ! この糞野郎が!」
「知らねぇよ! そんな
取り巻きに取り押さえられた青年の顔面は中勝に蹴られ、それら悪漢たちに嘲笑われる中、青年は尚も怒りに満ちた瞳を向け、弱々しいはずの姿に純粋な心の強さを放つ。
「お前は真相に気付いた記者やかつての愛人を彼らの家族や知り合いごと燃やし殺したイカれ野郎だ、連続殺人鬼と何ら変わらないじゃないか、このクズが!」
中勝は青年の罵倒に青筋を立てながらも、下卑た笑みを止めずに、自身の手を炎を立たせ、脅す。
「こんな分からず屋がいて悲しいぜ。こんな正しい正しい
青年は殺されそうになる。そう感じた瞬間、俺は咄嗟に駆け出した。まぁ、奴の悪業は十分に撮ったからな、ここで青年を見捨てたら奴と同じになる。そう軽く思っただけだ。
それに俺は前から準備していた。その結果は瞬間移動並みの速さで瞬時に青年と奴との間に割って入り、催涙スプレーをそれら悪漢共の目に吹き付けた。
「いぎゃあ!? てめぇ!?」
「めっ、目が!?」
「この野郎!?」
俺は素早く青年を立たせ、逃げるのを促す為に彼の肩の背負い、早歩きをする。
「あっ、あんたは!?」
「話は後だ! すぐ安全な所に行くぞ!」
ざまぁねぇな、糞ヒーローが、と俺は勝ち誇り、後は奴の悪事がニュースや新聞で広がり、馬鹿な
「危ない!」
俺は青年に背中を強く押され、前に転倒した。
振り返って見ると、青年はコートごと焼き焦がれ、その近くに中勝は不敵に笑い立っていた。
それに夢中になっていた俺は死角隣の取り巻きたちに一方的に蹴られ続けた。
「この糞餓鬼がぁ! 生意気なことをしやがってぇ!」
「どうしやすかぁ、中勝さん。こいつバラすか、燃やすかして、コンクリに埋めますか!」
「そんな存分嬲って痛ぶった後にすんだよ。というか、俺たちが気が付かないと思ったかぁ?
俺は奴に脇腹を蹴られ、味見するかのように下衆な瞳で見られた。
今再び、奴の
[適切ではない表現が目視された為、この動画とアカウントを停止します。]
[ウッザ、バーニングファイター様がそんな事をする訳ないじゃん。]
[ていうか、チラッと見たけど、投稿者ってニュースで映ってた放火魔じゃん。ヒーローに罪擦りつけんのマジだるいっしょ。]
[自分の罪を認めない変態逆恨みストーカーに人権はありましぇ〜〜ん。]
「は?」
俺は真っ白になって失望した、無知で、理不尽な
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