第13話 胸騒ぎ
「到着〜!!」
海や岸崎が目を輝かせながら着いたのは、山奥にある築30年くらいの旅館だった。
「とっとと荷物置いて温泉行くっすよ」
「了解、にしても山奥は空気がおいしいな」
「だよね!もうね、夏って感じ!!」
まぁ海の意味不明な表現は置いといて、新鮮な山の香りが鼻をくすぐり、様々な花が咲き誇っていたりと、なんとも夏の自然豊かな光景が広がっていた。
「康二こっちこっち!」
「お、なんだか懐かしい雰囲気がする」
海に急かされつつも旅館の中に入ると、中学の頃の修学旅行を思い出すような、客室内は和室で、座椅子などが備えられていた。
「荷物はここら辺置いとくぞ、それと受付はもう済ましたのか?」
「バッチリ済ませたっすよ」
「じゃあもう温泉行けるね!」
一休みしたかったのが、少しも休ませまいと海達に連れられ、せっせと急いで旅館から5分ほどの来二温泉に着いた。
「ここは確か、天然温泉が有名なんだっけ」
「そうっすよ、ここの温泉は疲労回復効果や美肌効果、血行促進効果などがあるっす」
疲労回復ねぇ、どうやら久しぶりに羽が伸ばせそうだ。
「もう待ちきれないよ!行こう行こう!!」
そう言って海は強引に岸崎を引きずりながら女湯の方に入っていった。
(さてと、僕も入りますかね...)
せっせと着替えドアを開けると、人が1人もおらず、貸し切り状態だった。
(おぉ、今日は運がいいな、欲を言うならもうちょい後で入りたかったけど...そういえば今頃あの2人は何を話してるだろうか)
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次回は金曜日です
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