第8話 僕
病室のベットに入ったとこで、携帯を起動しQRコードを読み取った。
「これを見てるってことは、君は無事未来に行くことが出来たんだね」
画面がぶれていて顔がよく見えないが、40代後半ぐらいの男性が画面に映った。
「僕の名前は林康二、他の世界線の君だ」
他の世界線の僕...?パラレルワールド的なやつなんだろうか?
「僕の世界線もね、高校二年生の夏に鈴野海と出会った、ただ幽霊ではなく実体がある状態でね」
高校2年生の夏に実体がある状態で出会った...?鈴野海なんて名前同じ学年に聞いたことがない。
「君は鈴野海という存在自体今まで知らなかっただろうがあいにく時間が無くてね、、そこら辺の説明は省くよ」
だんだんと画面のぶれが酷くなり、ノイズが聞こえだした。
「念のため8回分だけしか作れなかったが、3日前にタイムリープ出来る注射器を作った、いざと言う時はこれを首に打て」
8回分か、随分多くやり直せるな
「僕の世界線では絶対に救えないが、君の世界線には可能性がある、どうか彼女を、僕の無念を、晴ら...」
映像はそこで終わっていて、顔もあまり見えないが、泣いてるのが声の震えから伝わった。
他の世界線の林康二は何を思い、僕に託してくれたのかよく分からない。
僕自身、鈴野海のことをまだまだ知らない。
僕は、他の世界線の僕と同じくらい、彼女を知ることが出来るだろうか。
もし彼女を知ることが出来たとして、万が一失った時耐えることが出来るのか。
今はただ、怖くて仕方が無かった。
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最後まで読んで頂きありがとうございます。
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