第4話 物語のはじまり
「鈴野海か...いい名前だね、よろしく」
「康二こそ、よろしく!!」
もう呼び捨てかよ...
「とりあえずここら辺を軽く歩き回ろうか」
「ラジャ!!」
記憶喪失を感じさせないぐらい爽やかな笑顔で、彼女はそう答えた。
その後は、近くの公園、駅前、ショッピングモールなど、とにかく馴染みのありそうな所を二人で沢山歩いた。
「ここ、なんとなく記憶にある」
彼女が指さしたのは、空き地だった。
「ここをよく通ったとかそんな感じ?」
「いや、違う...最近までここに住んでた気がする」
住んでたって...どう見てもそこは、もう何年も手入れされていないくらい、草が生い茂ってる。
「他の場所と間違えてるんじゃない?」
「絶対にここ!ほら、私の名前が入ったお守りが落ちてるし」
確かにそこには鈴野海とかかれた、赤色のお守りが落ちていた。
「そうだとしたら、ここに住んでる人が今どこに住んでるのか、警察に行って聞いてみよう」
「だね!少し気になることもあるし」
彼女は少しうつむいている様子だった。
「気になることって?」
「全然大したことじゃないよ、さぁさぁとりあえず警察へレッツゴー!!」
他の人から見たらただのやばい発言にしか聞こえないな、などとどうでもいいことを思いながら歩き出した。
「到着!!」
警察署に着いた頃にはもう日が暮れかけていた。
「お伺いしたいんですけど、今隣にいる鈴野海さんの住んでいる場所について調べてもらうことって出来ますか?」
「隣ねぇ...事件性や何か特別な理由じゃないと調べるのはちょっと」
やはり事件性などの正当な理由がないと調べるのは難しいっぽい。ならここは
「彼女、記憶喪失みたいで...」
「そういう理由なら仕方ないけど、その彼女を連れて来てくれるかな?」
ん...?どういうこと?
「彼女ならずっと隣に居ますけど...」
「君ねぇ...いくらなんでも嘘はついちゃいけないよ、だって君ここに一人で入ってきたでしょ?」
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最後まで読んでいただきありがとうございます。☆と♡で応援してくれると幸いです。
次回の更新は木曜日か金曜日くらいになります。
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