夜空を見上げて
私は宇宙人だ。人間を装い、社会生活を送っている。
ある段階で気がついた。人間には善悪を選択する瞬間がある。殆どの場合、多数の側に着くことが正解だった。善悪の差ではなく。しかし師に当たる人間から、善の大切さを説かれた事で、正解ではなく善を取るという価値観を興味深く思い、優先順位を変えた。
私は最初、常に劣勢にあった。弱き者は何も持たない。私は考えた。法、環境、情動、政治。私は何も感じない。常に穴を探しただけだった。
やがて私は英雄と呼ばれるようになり、強力な影響力を持つようになっていた。心酔と狂乱の渦中で、まもなく私を討つ者が現れる。
夜空を見上げながら思う。これは果たして、人の形だったのだろうか。
終【お題:装う(2023/12/02)】
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