思えば最初にやらかしたのは風立ちぬ杯でした

 私が図らずも一気に有名になってしまったスキャンダル。それは某ネット有名人の方が開催した電子書籍のコンテストでした。


 このコンテストでは参加者が特定の日に自著を無料キャンペーンして、当時無料ランキング一位にいた「風立ちぬ」を個人出版の作品が抜き去ってやろうという企画だったかと記憶しております。


 当時まだ二作品しか発表していなかった私は、売名……もとい、宣伝のためにこのコンテストに参加しました。


 まあ当時の恨み言をつらつらと書くつもりは無いのでシンプルに書きますけど、一位になった作品は見事風立ちぬを(一時だけではありますが)抜きました。


 ただ、エロそうな表紙に中身がまるで別物でしたので、わたくしこれにブチ切れてしまいました(笑)。


 ブログでその作品をクソミソに批判してしまいまして、その行き先は大炎上でございました。割とすぐ鎮火しましたが。


 いざ炎上が終わると、誰かから執拗にからまれる事もなく、むしろ前よりも知名度を得る事が出来ました。まさに怪我の功名です。


 ただ、これで味をしめたのが良くなかったのかもしれません(笑)。


 「炎上は儲かる」ではありませんが、炎上が起こっても余計な事さえしなければ、実は結構な宣伝になると気付いてしまったのです。


 危険を顧みずに蜂の巣をつつく奴を見たら嫌悪感を抱く人は必ずいますが、逆にダチョウ倶楽部的に面白がる人もいるのだとその時学んだのです。そうですか。その手がございましたか。


 振り返ってみれば、あのコンテストは色々と尾ひれがついたという意味で最高だったのではないでしょうか?


 もしあのスキャンダルが無ければコンテストそのものが「小説家きどりのコンテストごっこ」と鼻で笑われて終わっていたかもしれません。


 それを機に私の作風が変化していったという意味では、たしかにあのコンテストの意義は大きかったのです。


 あの時の参加者はほとんど個人出版から去ってしまったようですが、私はまだ生きています。


 時には自ら火の中へと飛び込む度胸も必要なのかもしれません。

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