file6「新人」
20XX年4月2日
水森警察署
森「連れてきましたよ。」
結城「ご苦労さま。」
森「じゃあ私はこれで。」
結城「じゃあ自己紹介を頼む」
加藤「加藤史帆です。幼少期から警察の捜査一課に憧れていました。捜査一課に加われるのを嬉しく思います。右も左も分からないですが、よろしくお願いします。」
結城「ありがとう。じゃあみんなも自己紹介しろ。」
…自己紹介中
加藤「みなさんよろしくお願いします。」
佐伯「小野さんが来た時のことを思い出しますね。」
原田「この前の焼肉屋、また行きません?」
佐伯「賛成ー」
結城「いいけど、今日は加藤にやることを教えてあげてくれ。原田と佐伯お願い出来るか?」
原田「いいですよ!」
佐伯「えー」
結城「文句言うな」
加藤「莉々さんと承夏さんよろしくお願いします。」
佐伯「着いてきて」
加藤「はーい」
佐伯「まずは貴方の机。特に制限とかは無いけど、いつも綺麗にしといてね」
加藤「すごーい。ありがとうございます!…この机は?」
佐伯「元々郡道って人がいたんだけど、今は休職中なんだ。その人の机。」
原田「大怪我をおっちゃったんだ…」
加藤「大変ですね」
佐伯「入口の方に落し物コーナーがあるから、散らかってるのに気づいたら整理してね。」
加藤「捜査一課が管理してるんですね。初めて知りました」
原田「意味わかんないよね」
佐伯「捜査がない時は事件ファイルの整理だったり他の部署の手伝いだったり銃の訓練だったり…」
原田「意外と忙しいから頑張ってね。」
加藤「銃の訓練…」
佐伯「やっぱ気になるよね。訓練終わったら銃が支給されるから安心して。」
原田「部長の意向ですぐ訓練するようにしてるから来月には貰えると思うよ。」
佐伯「なんでなんだろうね。8月までに終わればいいのに。」
? 「承夏。こっち手伝って。」
佐伯「わかった。じゃあ後莉々ちゃん頼んだ!」
原田「えっ、ちょっと。まあいいや」
加藤「あの人は誰ですか?まさか、彼氏?」
原田「違うよ笑あれは先輩の弟の海斗くん。私と同学年で、鑑識課だよ。」
加藤「そうなんですね。びっくりしました。」
原田「ウチと鑑識課との関わりは多いから、そこで困ったら海斗くんに話してみてね。」
加藤「分かりました。」
原田「じゃあ早速ファイル整理をしよう」
加藤「具体的に何をするんですか?」
原田「日が経ってる事件ファイルを倉庫のファイルに移すだけだよ。」
加藤「倉庫はどこですか?」
原田「その奥の部屋だよ。見たい事件があったら見てもいいけど、元に戻してね。」
加藤「OKです」
倉庫
原田「これで最後だよ。お疲れ。後は好きなことしてていいよ。他の部署行ってもいいし、ここにいてもいい。昔の事件を見たいならここで漁ってもいいけど、さっき言ったように元に戻してね。」
加藤「ありがとうございました。」
原田「じゃあ、私は他の仕事があるからまたね。迷ったらその辺の人に聞いて。」
加藤「分かりました。」
加藤「さすがに細かいことは載ってないか。残念」
…
原田「あっいた。もうすぐ仕事終わりだから戻ってきて」
加藤「もうそんな経ったんですか。あっという間ですね」
原田「結城部長の奢りで焼肉だよ〜早く行こう!」
加藤「はい!」
…
結城「じゃあ締めにするか、焼肉来るやつは着いてこい」
小野「私は今日予定があるので行けません。申し訳ないです。」
結城「…わかった。気をつけて帰れよ。」
藤川「僕らも今日早めに帰らないと行けないんです。ごめんなさい」
河田「加藤ちゃんにジュース奢るから許して」
原田「小野先輩達運悪いですね〜また今度行きましょう」
結城「よし、車持ってないやつは誰かに乗せてもらえ。先に向かってるからな。」
佐伯「今日バスで来たから莉々ちゃん乗せて!」
加藤「私もお願いできますか?」
原田「あ、私も電車なんですよ。申し訳ないです。」
結城「誰も車できてないのかい。しゃーない乗れ。」
車内
結城「結局4人か。別日にすればよかったかもな。ごめんよ」
加藤「いえいえ。しょうがないです。」
佐伯「4人でも十分楽しめるよ。」
結城「出費が軽くなるから俺はいいんだけどね。ハハハ」
原田「うっそだー小野先輩来れないって言った瞬間しょげてたくせにー」
結城「ソンナコトナイヨ」
佐伯「最近小野さん元気ないけど何かあったのかな?」
結城「それは俺も思ってた。理由があんのかな?」
加藤「元気ないんですか?心配ですね。私はてっきり、真面目で公務員気質なのかと思ってました。」
原田「まああながち間違えじゃないけど、もっと明るかったです。」
佐伯「そんな事考えてたら楽しめないよ。一旦忘れて楽しもう!」
結城「佐伯の言う通りだな。…もうすぐ着くよ。」
店内
原田「さっき捜査一課に憧れがあるって言ってたけど、なんかきっかけはあるの?」
加藤「そうですね…昔事件にあって、警察官が幼いわたしの世話をしてくれたんです。」
結城「ほう。その憧れが今まで続くのはすごいな。」
加藤「1回決めたら実現するまで追い求めるタイプなんですよ」
佐伯「羨ましいわ。私はめんどくさがり屋だからそんなの出来ない」
結城「銃のめんどくさい訓練はめちゃ真面目にやってたけどな。」
佐伯「あの時はドラマでやってたから興味が出たのよ。今はあんなの絶対無理」
加藤「銃の訓練ってそんなめんどくさいんですか?」
原田「まあ一応危険物だからね。身を守るためとはいえ。」
加藤「そうなんですか。早くやってみたいですね」
結城「教える側もめんどくさいからな、明日やるか?」
加藤「いいんですか?嬉しいです。」
結城「明日が暇だったらな。事件が入ったら無理だから期待しないでくれ。」
加藤「やっぱりリボルバーなんですか?」
結城「いつの話だよw今は拳銃とライフルだ。まあ、ほぼ使うのは拳銃だけだがな。」
原田「一応必要になった時のために、ライフルの訓練もするんだよ。ライフルの方が楽しかったな」
結城「原田はライフルの訓練ノリノリだったな。」
原田「拳銃はなんかちっぽけで面白くなかったです。」
結城「でもめちゃくちゃ命中率高かったぞ。さすが試験フルスコアだ」
佐伯「あれ本当なんですか?」
結城「俺は知らんけど、森さんが言ってたよ。」
原田「私もスコアは知りませんね。合否しか言われてません」
加藤「森さん?」
結城「ああ、あの最初に案内してくれた人。署長の秘書だよ。」
加藤「そうなんですか。知りませんでした。」
原田「署長より森さんの方がよく見る気がします」
結城「そらそうだ。署長は滅多に署長室から出てこない。退勤時間もいちばん遅いからな」
加藤「あっ。そういえば郡道さんと話してみたいです。」
結城「え?なんでしってんだ?」
原田「ああ、机を案内した時に一緒に教えました。」
結城「そうなのか。電話するか?寝てるかもしれんが。」
原田「久々に話したいですね。」
結城「Fineが返ってきたら電話するか。」
ピロン♪
結城「早すぎる。暇なんだな…電話いいってよ。」
原田「やったー」
…発信中
『郡道「もしもし、郡道です。」』
結城「おう郡道。久々だな。」
原田「こんばんは!」
『郡道「こんばんは。暇でしょうがないっすよ…加藤ちゃんってのは誰だい?」』
加藤「こんばんは。加藤と言います。復帰したらよろしくお願いします!」
『郡道「おう。復帰するのを楽しみにしてるよ。暇だったらお見舞い来てくれ笑」』
佐伯「ナンパ良くないですよ。」
加藤「ナンパなんですか!?」
佐伯「そうだよ。」
『郡道「おい嘘つくな。佐伯覚えとけよ」』
佐伯「パワハラ。」
『郡道「ダメだこれ。」』
原田「佐伯先輩と郡道先輩は犬猿の仲なんだよ。気にしなくていいからね」
加藤「仲悪そうに見えて仲良いんですね」
『郡道「なんでこんなやつと仲良くしてると思われてんの?」』
佐伯「こっちのセリフだわ」
『郡道「もうすぐご飯の時間だから切るわ。ありがとなみんな」』
結城「おう。はよ戻ってこいよ」
佐伯「はぁ。久々にお見舞い行ってあげようかな。」
原田「嫌いなんじゃないんですか?」
佐伯「まあ、前ほど嫌いじゃないよ。」
原田「ふーん」
佐伯「ふーんってなによ」
原田「へへへ」
佐伯「このやろう」
原田「アハ、先輩が怒った。」
加藤「仲良いんですね」
佐伯「まあそりゃあね」
結城「そろそろ出るか?」
佐伯「おなかいっぱい」
加藤「私もです」
結城「じゃあ会計するから車乗っとけ。送ってやる」
原田「キャー部長かっこいい」
結城「茶化すな」
結城「家教えてくれ」
原田「私は水森駅まででお願いします」
加藤「私も」
佐伯「私も」
結城「家まで送んなくていいのか?」
原田「結構家遠いんで、大丈夫ですよ。」
結城「わかった。」
駅前
結城「着いたぞ。」
原田「ありがとうございました」
結城「気をつけて帰れよ」
佐伯「はーい分かりましたー」
結城「じゃあな。」
加藤「楽しかったです。小野さんたちともやりたいですね」
佐伯「機会があったらね」
原田「みんなどこまで行くの?」
佐伯「私は水森中央まで。」
加藤「私は逆で南です。」
原田「みんな別方向か。私は井戸田まで行かないといけないんだ。」
佐伯「そんな遠くなんだ。」
原田「はい。まあギリギリ水森のところに住んでるんですけど」
佐伯「やべ!もうすぐ電車来ちゃう。」
加藤「明日もよろしくお願いします!」
佐伯「じゃあね!」
加藤「私ももうすぐ来るので、失礼します」
原田「じゃーねー」
????「ボス、作戦を決行します。」
File6 終
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