第3話「サンライトイエロー」

 さて、千穐楽の話をしていこうと思います。

 千穐楽は2階席からの観覧になりました。


 一回目に見たときは歌の歌詞を聞くのに必死だったり、ストーリーを追うのに必死だったりで、それはそれで楽しかったのですが、二回目になると演出にまで目を向けることが出来ました。


 実は一日目では、中止理由の危険な演出で安全が確保できない為みたいな理由がどこにあるのか分からなかったのですが、二日目では、上から見ていたこともあり、実は途中途中で演技しながら、足場自体が動いていて、それを気づかせない程、一律なダンスや演技をしていました。


「あ~、こりゃ、練習が不十分だと危険だわ。納得だわ」


 っていうのが二回目の感想です。


 そして、千穐楽だからか、皆さん気合が入っていて、ダンスも一回目よりキレッキレッだし、なにより有澤さんの演技が格段に向上していてヤバかったです。

 というか、宮野真守さんが顔芸でめちゃくちゃ魅せてくれていたのにあてられたのか、有澤さんまで顔芸をするようにw

 そんな迫真に殴られなくてもwww


 さらに、最初に見たときはタルカスにやられたシーンは、ただ気絶しているだけのようなだらんとした倒れ方だったのですが、千穐楽では、硬直して微動だにしない演技に変わっていて、まるで死んだかのようでした。原作では首の骨が折られるところなのですが、それを上手く表現されるようになっていて、思わず声をあげそうに。


 あ、そういえば、有澤さんにこだわった理由を言っていませんでしたね。

 実は有澤さんは刀剣乱舞の舞台で和泉守兼定いずみのかみかねさだを演じていたのですよ。勘の良いジョジョファンはもうお分かりですね。

 和泉守兼定と言えば、土方歳三の愛刀として有名です。そして、荒木先生は土方さんとそっくり(本人?)と言われています。

 つまり、昔の相棒を演じた有澤さんが、今の相棒を演じるという燃え尽きるほどヒートな展開! これは有澤さんでなんとしても見るしかないですよね!!


 そして、その熱烈なジョジョファンの期待に応え、素晴らしいジョナサンを見せてくれました。


 宮野真守さんのディオの演技も素晴らしく、顔芸やばいし、ディオの偏執さを十二分に出してくれていました。

 一回目に見たときは、もう完全に宮野真守の独壇場だったのですが、千穐楽では有澤さんと本当にライバルのようで、どちらも見ごたえ充分!!


 さて、長くなりましたが、最後に。

 千穐楽だけの要素をいくつか紹介したいと思います。


 まず、スピードワゴンの休憩明けのあいさつなんですが、「さまざまな歴史を見て来た私だからこそ、アクスタが欲しい。全部欲しい」というようなセリフで観客を笑わせていたのですが、千穐楽では途中でうとうとしはじめ、「もう年だからつかれてしまって、でも、今日で千穐楽だから」と言って、千穐楽限定のセリフに変わっていました。


 それから、最後の出演者の挨拶ですが、18日のときはお辞儀するだけだったのですが、千穐楽では主人公の有澤さんが挨拶をしてくれました。

 

 もう、感極まってしまって、何もしゃべれなくて、


「もう、本当に……。もう……」


 と、他の役者さんに支えられ、


『信念さえあれば人間に不可能はない!

人間は成長するのだ! してみせるッ!』


 ジョナサンばりの精神力で挨拶をやりきりました。


 その中に、有澤さんはリアルジョナサンだから、そのままで良いと言われたというエピソードがあり、確かに、ぽいよな。と思っていました。


 そして、拍手喝さいの中、舞台袖へ。

 鳴りやまない拍手。

 終了を告げる館内アナウンスを消し去るほどの拍手に、再びキャストが戻ってきました。


 そして、一通り挨拶しきってしまった有澤さんが何を言おうか迷っていると、そこで、侵略者ディオの登場ですw

 有澤さんが一言口を開いた瞬間に、挨拶を略奪していきましたw

 宮野真守さんが挨拶を終え、これで終わりかと思うと、さすがリアルジョナサンと言われただけある有澤さんが不屈の闘志でさらに挨拶をするというw

 解釈一致過ぎる千穐楽の舞台挨拶。


 舞台だけではない完璧な舞台に大満足でした。

 色を足してどころじゃなかったですね。

 それこそ、ただでさえ素晴らしいジョジョという作品にさらに色をつけた舞台になっていました。

 2部の舞台化と音源の販売を心待たずにはいられない!!



 

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