人は忘れられた時に死ぬ、この出会いは運命だった、そういう聞いたことはあるけれどなんだかしっくりきていなかった言葉が、すとんと胸に落ちてくる素敵な作品でした。『彼女』と出会う奇跡に恵まれながらも、彼女はすでに結婚している、というビターなオチも、切ないながら綺麗で好きです。

別の世界では彼女の恋人だとしても、主人公とは初対面。しかも主人公は他の女性と交際していて……。
そんな状況で選択を迫られ、それぞれ決断を下すのですが「うわー」ってなりますね。

ラストで会えても、別人なのが辛いです。

何この素敵な世界観！
終わりがあるからこそ世界は美しい、んじゃなくて、考える人がいるから世界はあるんですね。

ぞくっとしました、怖いとかじゃなくて人の気持ちのやさしさとかはがゆさとか、思うようにならないのが人の気持ち、そういうのが伝わります。