5,829s 家族

2026年4月17日


俺は中学校生活を終え、高校生へとなろうとしていた。この3年間楽しかったが、素直に喜ぶことは出来ない。


なぜなら、楓は中学校に通ってないからだ。

休日に行ってあげたりはしていたが、楓はずっと病院で暮らしている。


(治療法を探して15年かぁ…)


変なことを考え、ペンを持ち、勉強をしている手が止まってしまう。


「はぁ…。」

手を止める理由を探しているようで自分に嫌気がさし、大きくため息をついた。


「夕飯だぞー!」

「はーい。」

俺は手を止め、階段を降りて1階へと向かった。


お父さんとお母さんがもっと賢くて、漫画のような医者家族だったら助けれたかもな…。


お父さんは保育士で、お母さんは看護師だ。


前に「なんで保育士を選んだの?」なんて聞いてみたら、ニヤッと俺の方を向いて


「子供が好きだからなぁ、それに女も多くて出会いがあるだろ。最高じゃん。」


だなんて自慢げに言いやがった。

本当に変な奴だよ。全く。


(まあ、料理が美味いからいいか。)

俺はイスに座り、ニュースを見て、3人でご飯を食べた。


気がつくと、テレビでは行方不明だった子のインタビューが流れ、楓だってこうなっていたのかもしれないと考えてしまっていた。









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