5,830s 休日

今日は楓に会いに行く日だ。


俺は支度を済ませ、家を出て、病院に向かった。今日は風が気持ちいいなぁ。少し寒い。


歩いていると、病院に着いていた。


俺はドアノブを握りながら、ドアの前で少しだけ、立ち止まった。


キキキー。

ドアを開けると、そこには外を見ている楓がベットで横になっていた。

俺は「よっ!」と挨拶をして、部屋の中に入っていった。


「健人!」

楓がベットから跳ねて出てきて、俺を抱きしめた。やっぱり楓は普通に可愛い。


「元気にしてた?」

「げんきだよ!げんき。」


楓を見るとなんだか前向きになれるが、時間が経つにつれて、いつ治るのかと不安が込み上げてくる。


楓は1日の1s分の記憶しか覚えていられない。

他の記憶は次の日には忘れてしまうのだ。

まあ、覚える記憶を頭の中で念じれば覚える

記憶を指定することができるらしい。


こんなことを知っているのは世間のおかげではない。楓のおかげだ。


「楓、ノートを見せてくれるか…?」


「りょうかい。」と言い楓は机の引き出しの所に入っているノートを渡してくれた。


「ありがとう。」

「どういたしまして。」


このノートを開いて、久しぶりに見てみてもやはり凄い、これは、楓が何かを覚えるために書くノートである。


2020年11月4日

1週間、研きゅうをしてみてわかってきた。

楓の体が。





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