刑事

@nekochansong03

第1話

御子柴君と甘味、続編


二次創作


女探偵葉村は新宿区警察刑事課の25才前後のふたりの刑事の訪問を受けた。女探偵には反感をいだいて居るだろうが、おくびにも出さず、丁寧な様子だった。ただ私は殺人の容疑が掛かっており、被害者は以前の探偵の仕事の対象者だった。

ふたりの刑事は同じように背格好だが、ひとりは今風の活発な感じの好青年、小林と平凡。ひとりは質問中もガムを噛みながら、ガムのブルーベリー中々いい匂いをさせながら、面倒くさげに話して居た。先ず名前から変わって居て御子柴というそうだ。難なく容疑は晴れたが、このふたりのことは忘れないと思っていたが、ほどなくして再会した。今度は参考人程度だった。ふたりのうち誰もが小林に好感を持つのだが、、、

私女探偵葉村晶は40台前半にかかわらず、アラフォーと名乗り、30台前半と混じろうとする、想像通り、結婚もしておらず、子供も居ない、何も持って居ない女で有る。加えて、何か得意な物があっても、生来の面倒臭がりのため、それを生かして資格を取ることもせず、フリータ-に近い探偵業界に落ち着いたところであった。ただ、興信所の所長によれば優秀な探偵と他の人に紹介していて、其れは満更お世辞ばかりとも言えない本心が垣間見得ることがある。私の推理は鋭いところがあり、他の真面目な社員より成果を上げる事も度々あった。関わったふたりの刑事の事件は御子柴の推理により解決され、それは私と思考が似ていた。だが私も御子柴も周りの常識人と相容れず、孤独かもしれない。

偶然御子柴と捜査の途中で会った。東京在住で有るから、会う事も有るかも知れない。捜査が打ち切りに成り、相棒の小林は直帰したが、御子柴とは近くのカフェでコ-ヒ-でも飲もうとなった。俺達雰囲気似てません。というのが御子柴の言い分で、俺孤児院出身なんですよ、という。私は親戚に困った者がいるが、其れ程不幸ではない。私は近況を語った。前からなんだけど、年寄りに好かれる。40過ぎているのに色気も素っ気も無く親しみ易いせいか、恋愛対象の異性は寄って来ず、とみに年寄りばかり来て、愚痴をこぼす。オレオレ詐欺にあったという、儲け話に乗って虎の子の貯金を持って行かれたとか、その他。

刑事課は殺人や強盗など凶悪な犯罪捜査ばかりだけど、たまには詐欺事件も捜査してと言うと、御子柴は身の上話を始めた。

母は付き合う男性と揉め事が多かった。訴えられた事も有ったが、男女関係の縺れと結論付けられたが、俺は知っている。母はちょっと見た目が良いのを幸いに、母は本当は男を騙している。

母が男と会う時ブルーベリーのフレーバーがして、子供ながら、キラキラして綺麗だとおもった。それでほっておかれても恨む気がしなかった。

母親は男と付き合い出すと子供の存在など忘れて平気で外泊する。小学生に入るか入らないかの頃ようやく近所の人がきにとめ、孤児院に入れた。それも母親は世間体など気にせず、気が向いた時だけ俺を可愛がった。

俺は私生児で、父親を知らない。

母は恋愛をするように詐欺をする。

いつもガムを噛みながら孤児院に会いに来てくれる浮浪者も居た。一、ニ度は母と寝たのだろう。空き缶を集め小遣いをくれた。その程度の甲斐性なのにその程度の甲斐性では養えないのに父親気取りだった。だが母と同レベルだったので、実の父親だと良いと真剣に思った。

母は後に大がかりな詐欺集団に関わった。母レベルでは考えもしない、主に投資を標的にした詐欺だった。優秀で見た目も良い年配の男が首謀者で、同年代の妻も居た。だが、その部下はたくさんいるが、特に若いちょっと見た目の良い女性達を置いた。女性達はその首謀者の愛人だった。母もその一人の愛人だった。おじいちゃんなどはイチコロで、家庭で浮いて居た主婦なども、結構苦労していたが、かあちゃんは古いなど言われ、家族に相手にされなかったのが、家族に見直されたいと思ったらしい。その結果、最悪離婚されたりした。

その大がかりな詐欺集団は摘発された。首謀者は大罪を受けた。母は訴えられたが情を考慮され、執行猶予される見込みだったが、呆気なく、肺炎で、何の持病もなかったのが、留置場で亡くなった。

俺は結局誰も貰い手が現れなかったが、皆の親切を集めて善人になった。

結局、親が犯罪者かもしれなくても、子は別だと言って刑事になれたからね、、、と御子柴は自嘲気味に言った。

東京在住なので会う事も有り得るけど、なんとプライベートで小林と会った。

陽キャのはずが、珍しく傷心していた。御子柴と連絡が取れなくなったそうだ。天涯孤独の御子柴は身内が執拗に行方を探してくれることもなく、警察内でも警察官の失踪というそれで、熱心に捜索されたが、全く追跡の跡が見付から無かった。小林は上司にその少し前、世間を騒がせた詐欺集団の捜索の糸口を得たといい、小林は別件なので気乗りしないでいると、独り善がりで突っ走った形跡が有るという事を言った。後ろには世間で名の通った暴力団がいるようすで、警察は普通ふたりで行動するのが原則なのに、原則を破っているので、警察でも諦めているようすだということだ。

後日、私は何故そこにいたのかわからないまま、そこにいた。

それは大規模なビル建設、多分タワマンの建設現場、だった。その下請けは、その世間で名の通った暴力団だった。

それは古びたキ-ホルダー、母が、めったにないことだが、気まぐれに遊びに連れていってくれ、買ってくれたお土産と、御子柴が持っていたのを見かけた事があった。

近くにはミキサーとセメント。それは同じキ-ホルダーも有るかも知れない。

後日、、東京在住なので東京の街の一角にいることもある。「女探偵。」という声がきこえた。振り返ると、御子柴によく似た雰囲気の若い青年と、だが全くの別人と、若いかわいい女性のデートの一空間だった。


東京はいつも建設ラッシュで有る、、、はいつも建設ラッシュで有る、、、

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