第2話 闘うために生まれたハードボイルド風の男



「そこのお兄さん! あんた、戦いに行くんだろ?」

 急行電車を降りて★★★大学にむかおうとする俺に、ダウンコート姿にアタッシュケースをもった20代前半の男が声をかけてきた。


「なぜわかった?」

 俺が、ハードボイルド風に聞くと。


「あんた、興福寺こうふくじ阿修羅像あしゅらぞうにそっくりじゃないか! 闘いの意志力が、姿を変えたんだろ?」


「いや、この外見は生まれつきだ! 闘いとは関係ない……」


「じゃあ、量子りょうしコンピューターを止めに行く地球教徒じゃないのか?」


「地球教徒なんてしらん! 俺は世界の未来のために、量子りょうしコンピューターを止めに行くんだ!」


「なら、たいした武器は持っていないだろ? 武器を買っていってくれ!」

 そういって開いたアタッシュケースのなかには、拳銃けんじゅう弾丸だんがん弾倉だんそうとガンベルトが入っていた。



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