第3話トイレ

平岡は腹痛の為、トイレに走った。

すると、誰かが電話しながら入ってきた。山田だ。

「そうなんだよ、うちの係長がなかなかハンコ押さないんだ。こっちも、迷惑してんだ。ちょっと、ま、頼りない係長だから午後から現場に出向くわ」


山田はトイレに入った。

山田は、用を足しトイレットペーパーに手を伸ばした。


ない!


「オホン」

隣のトイレに誰かいる。


「すみません、隣のトイレの方。トイレットペーパーを分けてもらいませんか?」

隣のトイレから声がした。


「オレが頼りない係長で悪かったな!山田君」

「その声は、平岡係長。すいません。違うんです」

「私は現場の叩き上げで、気配りしていたが残念だ。トイレで反省するんだな」

「すみません。係長!許して下さい」

「やなこった」


ガチャガチャ


「あらっ、こっちもトイレットペーパーが無い!」

平岡のトイレットペーパーも切れていた。


「山田!用具入れにトイレットペーパーがある。見てこい!」

「えぇ〜」

「えぇ〜じゃない。今の内にの探すんだ」


山田はズボンを下ろした状態で用具入れをさがした。トイレットペーパーは無かった。

すぐに、トイレに戻った。

「係長、ありません」

「なんだと〜」


既に15分はトイレに2人はいる。


「フハハハハ」

「どうした?山田」

「ポケットティッシュですよ」

「でかした!私にもよこせ」

「断る!」  

「何故だ?」

「それは、自分で考えるんだなぁ」 

「分かった。山田、お前は来月から清掃課に飛ばしてやる」

「それだけは、ご勘弁を」

「じゃ、テッシュペーパーをよこすんだ」

「テッシュペーパーは3枚しかないので、1枚半にしましょう」

「いや、2枚だ!」

「しょうがない。じゃ、係長に2枚渡します」


ジャー


「ふー、危なかったな、山田」

「これで、ハンコ押してもらえますか?」

「シャチハタでいいか?」

「はい」


平岡は書類にハンコを押した。


めでたしめでたし

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