「従魔」で良いの?2
「村長様〜!みんな〜!アイリス様が!!」
「ちょ、カイル、落ち着いて!ね?」
なぜかカイルが騒ぎ出した。最初は「大きなワンちゃん」って言っていたのに。フェンリルが従魔になっただけだというのに。
「カイル。どうしたのじゃ。」
「アイリス様が!フェンリルを従魔にした!!!」
「「「なんだって!?」」」
「皆さん落ち着いてください。私はただ罠を外してやっただけなのですよ?そしたらジニアが従魔になるなんて言い出して。」
「名前を...つけたんじゃな?」
「まあ、ええ。」
「はぁ〜。アイリス様。フェンリルがどれだけ珍しいのかは知っておられるでしょう。もしもこの事が知れ渡ってしまったら、王族や貴族が何をしでかすか分からない。本当にすまないが、、この村の住民はわしにとって家族。家族を危険な目に遭わせることはできない。」
しまった。完全に貴族達の存在を忘れていた。お世話になったこの人たちに迷惑をかけることはできない。
「ごめんなさい!考えが足りませんでしたわ。私、今すぐここを出て行きます。ただ、恩返しをしたいのでこの村に魔物避けの結界を張るのと、食物が育ちやすいように加護の力を分けるのを許していただけるでしょうか?」
「え?今なんか、さらっとすごいこと言ったよね?けどまあ、アイリス様はこういう人だ。よろしく頼むよ。」
「ええ!もちろん!」
それから3日足らずで自分の言ったことをやり遂げてしまったアイリスは、その日のうちに村を出た。
「村長様!お体を大切にしてくださいね。」
「もちろんじゃ。」
「そしてコチョウ!あなたのお母様は素敵な名を下さったわ。コチョウはきっと、コチョウランという花を由来にしているのね。花言葉は、幸せが飛んでくる。これからはもっと自分の名前に誇りを持ちなさい。あなたの未来に幸あれ!」
コチョウの目から大粒の涙が一滴、こぼれ落ちた。
「ありがとう...ございます!」
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その頃、天界でその様子を見守る人影があった。
「あの子ったら全くもう。どこまでお人好しなのよ。」
そう、その人影の正体は女神だった。
(まさか王族というものがあそこまで薄汚い生き物だったとはね。私がせっかくアイリスを送ってやったというのに。王宮に閉じ込めて力を奪い続けた挙句、絶縁してあの子に恥をかかせるなんて。
心配だから、フェンリルがあそこでアイリスに出会うように罠を仕掛けておいたけれどうまくいってよかった。怪我も治しておいたし完璧ね。)
「そろそろかしら。元々アイリスがいなければあの国は成り立たないけれど、さすがの私もあの仕打ちは許せないわ。」
「ぶっ潰して差し上げましょう!!!」
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代表作もあります。
よろしかったら読んでみてください(^∇^)
「地獄の中で、君に出会うことができたから。」
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