第21話 刺客を倒す元英雄
隔て道の中は点々と照明などが用意されていて、思ったよりも整備されている。
普段は使われない道だと言うので、日本の通例に則り、手間を惜しむものとばかり思っていたがここではそれは適応されないらしい。
「使われない道でもちゃんと整備されているんだな。まめなもんだ」
「まめと言うほど手間はかからんよ。土魔法を使えば一発で整地できるからな」
魔法のおかげか。
確かに魔法ならば10秒もかからない上に尚且つ一人でこと足りる。
それならこれくらいでもおかしくはないか。
「便利なもんだな」
少し進んでいくと前方から人が来るのが見えた。
「……誰かきた。隠蔽を使ってくれるか」
「よく気づいたな。私の目では米粒ほどにしか見えん。あっちからはバレてなさそうだな。隠蔽中は動いたら魔法が解けるから気をつけてくれ」
そう言うとホムラの姿が消えた。
どうやら隠蔽魔法が行使されたらしい。
じっとその場で待ち続けていると、魔人の顔が見えるところまで接近していた。
「社長に念の為に全ダンジョン見てこいって言われたけどな。絶対に死んでるだろ。荷物持ちなんて」
地上のことを知っているとしか思えない独り言を聞き、魔人の顔をよく見るとニュースでよく見た顔──神童として有名な山崎星斗だった。
メサイヤのお抱えだったと言うことは聞いていたが、大臣経由で依頼が入り、魔人に変装してダンジョンに入ってきたのかもしれない。
放っておいたままにしておいて、のちの脅威となるものを見逃すのも馬鹿馬鹿しい。
気づかれていないようなので、不意打ちを決めて無力化するか。
背後を見せた瞬間にキックで足を弾く。
「ぎゃああアアアア! 俺の足が!」
脛から先を無くし、その場に倒れると星斗はもんどり打ち始めた。
──ー
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