第六話 絶望的

さて、改めて確認しよう。俺は隊長に副班長が駅近くのカフェにいるはずだから会って一緒に任務に行ってこいと言われた。そして俺は初任務だと緊張はしながらも心のどこかでは興奮しながら駅近くのカフェへ走っていった。で…


「まさかとはおもうけど、その副班長っていうのが…」


「私だね」


ああ、マジかよ…


俺の目の前には白星さんがいた。副班長だとは聞いていたが、まさか佐久間隊の副班長だとは…


「なんか、ごめんね」


「あ、いや、別に何も悪くないから」


でもやっぱり、驚いたな…


「で、どんな任務なの?」


「今回は、一応水谷さんが初回だからそんなに難易度高くないんだけど…」


世界救った実力なめられてるな~ま、みんなそのこと知らないだろうけど。


「でも、初任務にしては難易度は高いほうだと思う」


あ、なめられてなかったわ。


「で、詳しくは?」


「敵アジトの特定だね」


「え?」


なめすぎとか確かに思ったけどいくら何でも難易度高くないか?俺前世で特定めんどくさいから相手ぼこぼこにしてアジと吐かせたぐらいだぞ?でもこういうときって大抵…


「隠密で、だよね?」


「うん、そうだね」


\(^o^)/オワタ


「俺、隠密苦手…」


「え?そうなの?」


白星さんは驚いた顔をして聞いてきた」


「隠密とか初歩中の初歩だよ?」


「やめてくれ、俺のライフはもう…」


「あ、ごめん」


なんか、心に来たわ…


「でも大丈夫、私の能力でアシストできるから」


「へ~、白星さんの能力って何なの?」


一緒に任務をするにおいて一番大事かもしれない。俺の能力は試験勉強の時に言ってあるけどそういえば白星さんの能力ってなんだったっけ?


「私の能力は【システム・ゼロ】能力の影響をゼロにすることができる」


「え?強っ、でも、それで隠密ってできるか?」


別に能力で物を見てるわけでも何か聞いてるわけでもないしな。


「…確かに」


「え?」


「何も使えない…」


白星さんは顔を真っ赤にして恥ずかしそうに手で顔を隠した。


これはこの先どうなることやら…


俺の能力、ここではキランリバイブではなく、血液暴走のことを指そう。火力とスピードは申し分がないが、二つほど、弱点がある。一つは持久戦に向かないことだ。血を消費するから長期戦になると貧血で倒れてしまう。転生してキランリバイブを手に入れたからある程度は持久戦はできるようになったが、それでも長くは持たない。そしてもう一つ、これのほうが今回は重要かもしれない。遠距離手段がないことだ。あくまで血液暴走は自強化に過ぎない。血を飛ばして攻撃などはできない。一応例外としてブラッドラグナロクがあるが、あれはキランリバイブの回復があっても負担が大きすぎて死ぬからな。つまり、何かアクションを起こしたい場合はわざわざ近づかないといけない。いくら早いからって隠密行動には向かない。おまけに出血するから血が垂れる。ひどいときは血だまりができる。痕が残るのはよくないな。


そして白星さんのシステム・ゼロも聞いてる感じは強力ではあるが隠密が得意な能力ではない。苦手でもないのが救いかもしれないが。


と、言うわけで

結論:絶望的


「うん、こりゃだめで!」

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