第二話 フレーム
「えっと…どゆこと?」
いきなり一緒に戦ってくれ~とか言われてもさすがによくわからんて…
「あ、ごめん。ちゃんと説明しないと…その前に…」
「その前に?」
「腕の怪我、大丈夫?」
俺は言われて気づいた。血液暴走の出血、まだ治してなかった…
キランリバイブ
これ、自分も直せるから便利なんだよな。血液暴走とも相性いいし。
「よしこれでもう大丈夫だ。で、どういうこと?」
「はい。実は私、フレームという集団に所属してるんです」
「フレーム?」
その組織の名を俺は聞いたことがなかった。
「はい。フレームは、あるものから世界を守るために結成されました」
「そのあるものとは?」
「魔王です」
「え?また?」
「ま…た?」
あ、やべ。思わずまたとか言っちゃった。
「あ~いやなんでもない」
なんでこの世界にも魔王いんだよ!
「その魔王は、この世界を破壊するのが目標らしく、世界の陰で手下を従えて、悪さに働いてます。それに対抗するためにフレームが結成されました」
なんで目標まで前世と一緒なんだよあいつも転生したんか?
「しかし、表立ってやることができないので魔王側との人数差が大きく、人手不足におちいってるんです。そこで水谷さんにぜひ、フレームに入っていただきたいんです。お願いします」
白星さんが深く頭を下げた。また魔王と戦うのか…この世界の魔王の強さ知らんけど前世と同じだったら俺死んでもおかしくないんだよな…でも、それで救えるなら
「わかった。いいよ」
「本当ですか?ありがとうございます!」
あーあ、言っちゃったよ…これ俺大丈夫かな…まぁいいや。一度世界救ってるし…
じゃあ、もう一度世界救っちゃいますか。
数日後
「へ~、ここがフレーム本部か…」
俺は今、フレームの本部にいる。形は中世の城に近いが、全体的に白く、ふちがエメラルド色に発光しているため、古臭さは感じず、むしろ近未来感がある。
「それにしても地下深くにこんな場所があったなんてな」
「無関係の人に知られたら大変だしね。支部のほうは表向きは別の施設となっているところもあるけど、本部は人も多いし重要な資料や物も多いから」
俺をここまで案内してくれた白星さんが言った。ここまでくる途中、地下水道の中をツタけど通ったけど、なかなかの距離があった。本部行くだけでそれなりに体力を使う。なんかショートカットとか作っとけよ。
「大丈夫?緊張してる?」
「まぁ、してないと言ったらうそになるな。でも、なんとかなるっしょ」
俺が本部に来た理由。それはフレームの入隊試験を受けるためだ。
フレームは入りたいといえば入れるわけではない。フレームの試験は筆記、実技、面接の中から二つ選んで試験を受けないといけない。俺は今回、実技と面接を受けることにした。筆記とかあの短期間でできる気がしない。実技は世界救える奴がたくさんいない限りは大丈夫だし、面接は…まぁ、口だけは達者って前世で言われたことあるしな。
一応今日まで白星さんに能力についてとかいろいろと教わった。どうやら戦闘向きの能力はかなり珍しいらしい。たしかに今まで戦闘向きの能力のやつにあったことがない。足音を楽器の音にする能力とか、ゲームの隠し要素初見で見つけられる能力とか、言ったら悪いがしょうもない能力が多い。そして当然と言えば当然だが能力二つ持ちは今まで存在したことがないらしい。俺も能力教えるときはキランリバイブだけ教えて血液暴走は言わないから、もしかしたら隠れて誰かいるかもしれないが。
さて、そんなわけでフレーム入隊試験。実は受けること自体大変らしい。むやみやたらに受けられたら情報漏れやすくなるかららしい。受けるためにはフレーム内である程度の身分のある人が推薦する必要がある。それでなんで俺が受けられるかというと…
「それにしてもまさか白星さん、フレームの副班長だったとはな」
「まぁ、大したことしてないけどね」
白星さんが副班長でぎりぎり推薦可能な身分だったからだ。
「あんな雑魚にやられたのにな」
「まぁ、あの時はいろいろあったし…」
そんなこんな話しながらに建物の中に入り俺は受付を済ませた。
「じゃあ、私はここまでしか案内出来ないから。もうすぐアナウンスで呼ばれると思うから」
「ああ。ありがとう」
~水谷さん、水谷爽さん。二回会議室まで来てください。
「じゃあ、俺言ってくるね」
「うん。がんばってね」
そう言って俺は二回の会議室まで足を運んだ。
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