第14話

 火曜日。

 リリィが日本に来て、三度目の登校日。


「そーた、これ、どうですか? ……へんじゃないですか?」


 リリィがスカートを指で摘まみながらそんなことを聞いてきた。

 制服の感想は以前、一度聞かれた気がする。


 しかし以前と様子が違う。

 顔も真っ赤だし、足もモジモジとしている。

 何だか、ちょっとエロい雰囲気がする。


 この変化は……。


「スカート、みじかく、しました」


 そう言われて俺は気付く。

 昨日までは膝を覆う程度の長さだったスカートが、膝上十センチ程度の長さになっている。

 目測だが十五センチ以上、短くなっている。


 そう言えば、夜な夜な何かしてたな……。


「おかしくはないけど、どうしたんだ?」

「……みんな、みじかかったので。みさとも……」


 我が校の校則は緩い。ゆるゆるだ。

 制服の改造も、原型をとどめている限りは自由だ。

 だから女子はスカートを短くする傾向がある。 

 特に美聡はパンツが見えるんじゃないかというレベルで短い。


 まあ美聡のパンツや脚には欠片も興味はないが。


「無理に合わせなくともいいんじゃないか?」


 正直に言うと好きだが、大事なのはリリィの意志だろう。

 見る限りリリィは恥ずかしそうにしている。

 恥ずかしいならやめた方が良いのではないだろうか。


「……そーたは、どっちがすきですか?」


 俺の意見なんて聞いてどうするんだと思うが……。

 あらためて俺はリリィの姿を観察する。


 昨日と比較すると短くなってはいるが、それでも膝上程度。

 我が校の女子の平均……よりやや長いくらいだ。

 下品ではない。


 そしてリリィは足がとても長い。

 スカートを短くすることで、それがさらに強調されている。

 チラりと覗く、白い太腿もとても綺麗だ。

 

『あの、あまりジロジロ見られると……やっぱり変……』

『可愛いよ。素敵に見える』

『そ、そうですか!?』


 俺の言葉にリリィは上擦った声を上げた。

 そして何度かスカートを摘み、迷った様子を見せてから頷く。


『ソータがそう言うなら……ちょっと、恥ずかしいですけど……』

『あくまで俺の一意見だから。気にしなくていいよ』


 恥ずかしいならやめた方がいいんじゃないか?

 俺がそう言うと、リリィはこちらを睨みつけて来た。


『別にあなたのためじゃありません。勘違いしないでください。ローマではローマ人のようにするだけです』


 郷に入っては郷に従え、か。

 まあ、リリィが馴染もうとしているならそれは良いことか。

 それがスカートの長さというのは変な話だが。



 

 そういうわけでスカートを短くすることにしたリリィだったが、やっぱり恥ずかしいらしい。

 時折、スカートの裾を掴んだりしていた。

 椅子に座る時は両手でスカートを前に引っ張る仕草をする。

 階段を歩く時は露骨で、お尻に手を置いていた。


 我が校の女子は短いスカートで堂々と大股で歩いたりするので、そんなリリィの仕草はとても新鮮で、可愛らしかった。


『スカート、長くしたら?』


 見かねた俺がそう言うと、リリィは顔を真っ赤にしながらスカートを抑えた。

 そしてこちらを潤んだ瞳で睨みつけてくる。


『すぐ、慣れるので。……余計なお世話です。次、指摘したら……殺します』


 変な性癖に目覚めてしまいそうだった。

 このままでいて欲しい。

 間違えた、やめて欲しい。

____________________


作者のモチベーション維持と宣伝のためランキング順位は高いにこしたことはないので

リリィちゃんの可愛い、面白い、続きが読みたいと思って頂けたら、フォロー・評価(☆☆☆を★★★に)して頂けると

大変、励みになります。


作者Twitter(https://twitter.com/sakuragi_sakur)でカバーイラスト公開中です!!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る