【番外編】アジト会議

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

この話は【戦闘開始】の後の話です

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あぁ、クソムカつく」

「アイツの強さ何なんですか?」


昔に貴族が住んでた館、今はそこは廃墟と化し盗賊団のアジトになっていた、アジトの中には他の運送者から奪ったであろう肉、米、パン、と様々な飲食物も置いてあった、


館の中の盗賊の数は30人近くいた、盗賊団は各自に好きなように行動していた、その盗賊の中には先ほどの戦闘に関わっていた8人の姿もあった、彼らは傷の手当てを受けている様子だった、

中にはイグナルトに秒殺されたリーダーらしき人物、大槌使いの姿もあった、

彼は先程からグチグチと文句を言っていた。


「あの赤髪のガキ、どんだけ強いんだ。」

「ホントっすよ、あの強さ異常ですぜ、、、なぁ弟者、、」

「あぁ、兄者」

「クソムカつくぜ、あのクソ野郎に復讐してやりてなぁ、、」


先程の戦闘で負傷した弓使いの男が【復讐】と言葉を口から零した、その言葉に大槌使いは反応した、何か思い出したようで悪い顔をし始めた。


「俺にいい考えがあるんだが聞いてくれ、」


彼の話はこうだった、逃げる際に見たある少女の話だ、白雪の様な白髪に奇麗な青い瞳を持った少女の話だった、そうシエルの事だ


「ってガキが馬車からこっちを見ていたんだよ。」

「はぁ?それは見間違えじゃないんですか、白髪だけや、碧眼だけなら聞いた事あるがその両方を、、、見た事ねぇよ」

「ホントなんだって、しかも容姿も整っていた」

「マジかよ、、そんなのが実現したら、変態金持ち連中らに高値で売れるぜ、、」


男たちの興奮は収まる事がなく、遂には誘拐計画まであがり始めた、その計画に次々と団員たちが乗り始めた、短時間で計画書が完成した、


計画書にはこう書いてあった

【俺ら大富豪計画】

1、赤髪にバレないように娘をさらう

2,アジトに一度戻る

3,娘を売る

4、大金ゲット

頭が悪すぎる計画だった、運が味方しないと最初の時点で失敗に終わる、計画とは呼べる代物では無かった


「でも、もしあの赤髪が助けに来たらどうする?」

「その為に一度アジトに戻るんだよ、もしアイツが乗り込んで来たら全員でたたき潰す、この人数だ一斉に掛かれば問題なく倒せるだろう、、」

「さすが兄貴、頭がいい」

「でもよ、相手がならどうする?、30人程度すぐにやられちまうぜ」

「それなら大丈夫だ、あいつはぐらいの実力だろう?」

「なぜ、わからるだ?」


彼は見ていたのだイグナルトとの戦闘中、矢を投げる為に空中で横回転する際に炎色魔法えんしょくまほうを使っていたのを


「アイツは空中で魔法を使いその反動を利用して矢を投げてきたんだろうよ、」

「なるほど、でもなんでそれで相手が下位だと分かったんだ」

「そこだよ、あいつは魔法抜きにしても強いが一般人で肉体戦が強い奴は決まって、無適合者か下位適合者と決まってるんだよ、魔法が強いと体を鍛える必要はないからな」

「確かに、リーダーも体を鍛えてる所、見たことねぇーな」

「それに俺らにはリーダがいる恐れる事はねぇ、なぁリーダー」


盗賊達は一斉ににある男に目線を向ける。その男は無駄に豪華な椅子に座っていた、昔に貴族が置いて行ったものだと思う、その椅子に座った男がニヤッっと微笑むと、全員の背筋に凍る感覚が走った。


「お前らの頭の悪い計画でうまく行くか分からんが、もしうまく行ったら、その時は俺に任せとけ」


盗賊団のアジト内に雄たけび声が響き渡った。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る