【第1章】始まりの物語

【第一話】大好きなお父さん

物語の始まり

ここは商業の国とも言われている場所オルニス

この場所で馬車を走らせてる男がいた、身長は平均より少し高めではあるが、細身でありながらも決して非力と言うほどの体付きではなく、むしろに鍛えられた体をしていた。

少し長めに伸びた赤い髪を後ろで縛っており、キリっとした顔立ちが印象的な彼の名前は

イグナルト=ソル=ルドベキア

彼は今、オニキスの首都フリューゲルから片道5時間ほどかかる村に馬車で物資の運搬をしていた。


馬車を走らせること2時間半近くが過ぎた頃、少し山道に入ったあたりで事件が起きた

この山道はロクに地面の整備をされていない為、すごくガタついていた。


今日の積み荷は卵や瓶などの壊れやすい物がたくさん積んであったのであまり馬車を揺らす事が出来ない

なら、こんな山道を通らずに別の道から行けばいいじゃないかとも思ったイグナルトだったが、彼にはそれが出来なかった


いや、厳密に言ったらできない事はないがそうすると倍以上の移動の時間がかかってしまう、一般的な配送人なら多少時間がかかってでも遠回りをするが彼にはできない理由があったそれは


(はぁ、早く帰ってシエルに会いたい)


そう、彼の家には娘が待っているからだ、そのため出来る限り時間をかけたくないのだった、もし遠回りなどしたら夜になってしまう、夜に馬車を走らせるのは大変に危険な行為なので片道に何時間もかけていたら確実に泊りになってしまう

それだけは絶対に避けたい、イグナルト

いや、その事態を必ず避けるのがこの男であった、、、、

最悪たまごや瓶詰めの食材が全部壊れて食べれなくなったとしても彼は速く帰る事を選ぶだろう。


そんな最中、イグナルトの乗った馬車の前に地面からもりあがった石が埋まってあった、この状況に非常にマズイ、もし石に車輪が当たってしまえば馬車が大きく揺れてしまう、そうなれば積み荷が壊れてしまう可能性が生じる

彼はその石を避ける為にウマの手綱を強く引く、しかしウマは無反応であった、昔からイグナルトと動物は相性が悪く、なぜか嫌われていた、

だが今操っている馬は運搬用に訓練された馬の為、比較的に人の言う事を聞いてくれるはずだった、現にさっきまで彼の言う事を聞いてくれていた、

ではなぜ急にいう事を聞いてくれなくなったか彼は考え始めた、

するとフリューゲルを出る時に運搬支配人のクライツとの会話を思い出す


「おい、イグいいか、今回のウマは比較的利口だが体力は少ない、だから2時間に一回は休憩させてやれ、じゃないと指示に従わなくなるからな、、、、、」


なんて3時間前にした会話を思い出した。

その上彼は早く帰りたいからとウマを急かしていた事も思い返す、

つまり

これは

あれであった


「オレが悪いな、、、」



ガシャンと大きな音と共に馬車が

少し大きく揺れた。

彼の馬車は石を避ける事に失敗したのであった


「きゃーー」


荷台が大きく揺れたと共になにやら悲鳴が聞こえてきた、馬車の荷台から聞こえてきた者である

その悲鳴は女性者であった、女性と言っても年齢的には少女しかもまだ歳が2桁にもなってないぐらいの幼子の悲鳴であっただろう

彼は悲鳴の正体を確かめる為に馬車の荷台の方を確認してみた。そこには年齢的には5歳くらいの小さい体の少女がいた

白い肌に白い髪、まるで白雪色の様だった、髪の毛は肩より少し長いぐらいだったが、彼女の髪にはイグナルトが6歳の誕生日にあげた髪留めを付けていた、目はパッチリでまん丸、今にでも零れ落ちそうな程に大きい瞳は碧海へきかいのように透き通った青い色をしていた、だれから見ても美少女と言われる程に整った容姿であった。実際に町では可愛いで有名である程である、

そんな少女は今頭をさすっていたさっきの衝撃で頭を少しどこかしらにぶつけたそうだ。


「イテテ、」

「また荷台に忍び込んだのか、シエル」


荷台にいた少女の正体はイグナルトの娘シエルであった


「えへへ、付いて来ちゃった。」


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