第6話 お子さん孤児院で預かりましょうか?

「そんな畏れ多いことできるわけ無いだろう」


「院長先生。もう止めてあげてください。周りの人たちもミリーも怖がっています

ミリーなんて怖くて震えているじゃないですか」


 ダニエルくんやミリーは下を向いて肩を震わせているが怖くて震えているんじゃないと思うんだ私。


「ダニエル。ぷぅふ……私……ぷぅふ……院長先生怖くないから大丈夫だよ。

院長先生が……ぷぅふ……素出しすぎて堪えられないだけだから」


「そうでしたか。院長先生……被っていた大型猫はどちらにご旅行に行かれたのですか?

早く帰ってきて欲しいのですが……」


『ブァハハハハ……』


「あなたたちね……」


 私たちのやり取りにより大爆笑が起こり、近くにいるのに2人の耳には私の声は届いていないようだ。


 ミリー笑うのを堪え隠すのを止め、一緒に笑っている。まあ、隠せては居なかったけどね。


 ダニエルとミリーには孤児院に戻ったらお仕置きが必要だね。


「あなたたちは大人なので無理ですが、良かったらあなたたちのお子さんをうちの孤児院で預かりましょうか?」


「まだ続けるのですね」


 ダニエル。呆れた顔して私を見上げながら言うんじゃありません。

 ここまで来たら最後までやらせてちょうだい。


「そうすればこの子達が着ている服をお子さんに着させてあげられますよ。

ただし……預かったら親がいるのに服を与え、食事を与えたりするので、孤児院を出る時には家業があっても継がさせず別の職に就いてもらいますけどね。

いい職に就いて、実家に仕送りするのまではとめたりしませんよ。

孤児院を出たあとのことですからね」


『……』


 色々と言ってきていた人たちが黙り込んでしまった。


 ミリーは声を出さずに腹を抱えて笑っているがルイスとダニエルは頭を抱えてしまっていた。


「院長先生……やり過ぎ。あとさっきは言わなかったけどお金持っているぞって、こんな人集りの中で言ったら悪い人たちに襲われちゃうよ」


「王城ならいいけど、孤児院だと困るわね。

悪意を持った人が入れないように結界張っときましょうか。

まあ悪人たちに襲われても返り討ちにしちゃうから心配ないわよ」


「ミリス第2王妃殿下……王城も困りますからね」


『!!』


 ついにルイスが私が第2王妃だと明かしちゃいましたよ。

 皆さん、驚いちゃって呆けているじゃないですか。

 正気に戻って慌てて頭を下げられちゃいましたよ。


「皆さん。頭を上げてください。これからも今まで通り普通に接してくださいね」


「院長先生。大きなネコちゃん帰ってきたね」


「院長先生。もう今まで通りなんて無理ですよ」


「ええ〜でも第2王妃と言っても冒険者だったんだよ。

乱暴者も居たりするから迷惑がっている人もいるだろうけど冒険者は皆からした身近な存在じゃない」


「冒険者だったじゃないですよね……たまに依頼受けたりしいてますから現役Sランク冒険者ですよね」


「「それに実家はシュナイゼル辺境伯家」」


 個人情報をルイス、ダニエル、ミリーに更にバラされた。


 ダニエルとミリーはお仕置き追加、ルイスはジュラルとハーボット近衛騎士団長に言いつけてやるんだから。



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