第21話 VSサハギン


「ギョギョギョ」


 馬車から出ると道をふさいでいるのはモリを盛った魚型の魔物だった。外見だけで言うと魚に手足が生えて二足歩行している魔物である。



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『サハギン』


 魚型の魔物であり地上ではそこまでではないが、水中では厄介な敵である。お手製のモリをもって獲物を集団で狩っていく。

 かつて人魚の肉が不老不死にきくと言われた時に悪徳業者たちによって人魚の肉として売られていた。



弱点 雷


ドロップアイテム

サハギンの鱗

サハギンの魚肉


レアドロップ

サハギンのモリ


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 よし、水中にひきづりこまれなければ倒せそうだ。それに喰えるな!!



「グロリアは馬車の護衛を頼む。俺はちょっと自分がどれだけやれるか、試してみるよ!!」

「わかった。無茶はするなよ。すこしでも危険だと思ったら真っ先に行くからな」



 いや、護衛任務なんだから馬車を守っててよといいたかったが彼女はかつてパーティメンバーを失っているのだ、多少は敏感になってしまうのだろう。

 とはいえだ、グロリアと一緒にいると彼女の強さに頼りっきりになってしまうからね。


「そこは俺たちもサポートするからまかせなって、Cランク冒険者の力をみせてやるよ。相手は地上ならDランクの魔物だ。そんなにてこずらないって」

「あなたには先ほどお世話になりましたもの。そのお礼をいたしますわ」

「二人ともありがとう!!」



 彼らはもう手慣れているのか、マリンさんが雷魔法を放って、それから逃れたサハギンをケインさんが狩っていく。

 そんな中一匹のサハギンがこちらにやっていくのが見えた。こちらをふりかえったケインさんがウインクをしてくれたことからあえてこっちにまわしてくれたのだろう。



「ギョギョーーー!!」



 サハギンの一撃は意外と重く、鋭かった。だけど、イビルスパイダーと戦った俺からしたらプレッシャーは感じない。

 むしろ『ジャイアントキリング』は発動しているおかげでゴブリンよりも戦いやすいかもしれない。



「レベルはサハギンが上でも武器とスキルの差があるからかな……全力斬り!!」

「ギョギョ―――!!」



 鷹の目で相手の動きを見極めて、全力で放たれた一撃がサハギンの鱗ごと肉を引くさく。

 輝きと共に魚肉が現れた。



「お、サハギンの魚肉じゃないか、家畜用のえさとして使われるから農家にいけば狩ってもらえるぞ」

「へぇー、そうなんだ。ちょっとした臨時収入だね」


 親切に教えてくれるケインさんに答えるも俺の意識は別にあった。

 

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【サハギンの肉】


レアリティD

 調理難度2


 サハギンを倒したときに入手できる魚肉。主に家畜のえさとして扱われるが適切な調理をすれば食すことも可能。

 ウォーレムの村の近くの川に釣り餌として使うとヌシを釣って会話することができるぞ。

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 ヌシってどんなかんじなんだろう? 異世界ウィキの知識で手に入れた魔剣を握りしめながら俺はワクワクしながら心配そうにこちらを見つめているグロリアと合流するのだった。

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