第3話


韓唐紅


そのさらりと伸びた前髪に惹かれ、男衆供が群がる。


こんな辺鄙な片田舎に、女が絶対的に神だと云う異聞伝聞、聴き、当初はなんだこれは??と奇異に感じたモノだ。


山間部に根強く信仰されていた。


山の田舎に入り、農家の家々が目立つ様になると、ますます田舎臭くなる。


仕事で、何でも屋をしておる為、良く例えば、運送屋なんて仕事もしていて、前の受け持ちの漢は器用にこなしていた。されど、私には信じられなかった。


居間の仏壇仏具の位牌の真ん前にまだ、死んでいない奥様、女房の写真が、どこかの写真館で撮ったのだろう。とても、紅を刺した頬を赤らめた婦人の姿があった。


私は、リモコンの電池替えを頼まれて、指示のまま、従っていた。


こんなことがいつまで続くのか、途方も知れなかったな。


振り返ると、彼は自分がしなければいけない所、私に殆どさせ、自分はといえば運転ばかり、神経をすり減らしていた。


こんな事できません


上役にそう、いっているのを前で聞いた。


言っていいのか、わからないことを言ってるのをよく、目撃していた。


それを後で話すと、それを簡単の意で、スゲェなと喜んでいる。


代弁していたから、喜んでいた。


しかしー


人の言うことを聴けないのがたまにキズで、後々、上役に嫌われていた。


しかし、それでも私は彼の言う事を聴かなければならない立場が弱く、歯痒かった。


上の人の指示には従うのは鉄則、されど、それより上の者には従うが、それより上下関係が入り乱れて来ると、当然の如く、立場が上の者を見分けて、臨機応変に聞く指示、聴かない指示を、見分ける。


例え、仕事の連れ立ちで行こうと従わなきゃならないのに、そこにまた、別の人間が介在していたら、僕はかなり苦心する。


僕は自分のために生きていた。


しかし、組織の上では、縦社会ではなく、横社会なのは、仕組みを理解するまで、かなり苦労した。


こう言うことは、本音と建前と云う言葉があり、これが出来ないと、仕事が出来ない人認定になってしまう。


こう云うことだった、なんて事は子供には理解出来ないし、頭が悪いと相手にされない。


難しい


其れを今更、理解したのに、父親が明日は雪かきを頼む場合、五時に起こすと言う言葉にエ???と言うも、もう、慣れました。


私は北陸豪雪地帯の地元に居た。


普通に育ったので、出来ない人がいると知り、苛立ちはなくなった。


しないのではない。出来ない


それは2018年頃にも悩んだ事だけど、そう言うモンなんだ、って今も昔も彼等ばかり周りに溢れていたから、相手にしない事を、学習しまった。


怒るのはちと、違うんです。


就寝前のリマインダーが鳴り、通知は切ったのになるので、めんど臭くなった。


スマホ片手に生きているから、精神を悪くするとは、大人の意見だったが、そこまでして、言い遺したい想いがあって、僕はそう言う人は、哀しかったけれど、哀歌が得意だったりした。


テクでは出来ない。


ハートでしか、届かない想いが、今も、僕を駆り立てる様に、揺り動かしている。


これは君のために言っていません。




私の為に云ってます。


自他の区別がついてます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

からくれない 尾崎カデxヱ @ozakix62

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画