第一部 全ての始まり
第一章 グラース子爵家
第1話 魔術師としての才能
ビリクラム大陸の内の一国であるイグニェス王国。文明は中世程度までは進んでおり、身分は上から順番に“王族、公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵、準男爵”となっており、その下は平民や、奴隷等である。
そのイグニェス王国の辺境の地にて
“カール・フォン・グラース“という名の赤ん坊が、両親や使用人が見守る中、グラース子爵家に三男として生まれた。
当主としては長男や次男のための保険でしか無かった為、三男が生まれるその時までは特に気に掛けてもいなかった。
だが実際に生まれた時、既に長男や次男を遥かに凌駕する魔力を持っている事が感覚で分かってしまい、少し驚愕してしまった。それ以上に、扱いを如何すれば良いのか分からずに居た。しかし悩んだ末
「この私の息子は如何やら膨大な魔力を持っている様だ。そのため三男ではあるが基本的な教育は受けさせ、ある程度の事は自由にさせる。ただ、魔術に関しては徹底的に教えようと思う。それで良いな?」
その場にいたカールの側室であるデイナ・フォン・グラースを始め、使用人達は目を見開いて驚いていた。
だがカールの父親のゼブ・フォン・グラースは、息子の異常としか言えない才能
が何処まで行くのか、それを見てみたくなっていたのだ。
その後、父親ことゼブ・フォン・グラースは自室にて
「適性が分かる日が楽しみだな」
と呟いた
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その後は何事もなく順調に時が過ぎて行き、5年の月日が経っていた。
5年という月日は長く新たに2歳になる妹のセリスことセリス・フォン・グラースも生まれた他、自分自身の容姿も変わっていた。
母親譲りの神々しいとも言える様な“白銀色の髪”、宝石の様に“青い輝き”を持つ瞳。
更には、とてもと整った顔立ちであり、5歳とは思えない程聡明になっていた
カールは3歳等最初のうちは屋敷などで長男のベバリー・フォン・グラースや次男のクレイン・フォン・グラース達と遊んでいた。
だが、4歳になって初めて母親に本を読んでもらった時、“面白い”と思い、母親に
「母様!僕、いろんな本読んでみたい!」
そう言っていた。
この一言がこれからの物語が始まるキッカケとなるのだが、それを本人や、その他の人達が知る事は無い。そしてこれをキッカケとし、活発的な子供では無くなった
それからカールは母親や使用人から様々な種類の本を字を教えてもらいながら読む訳だが、字を習った事によって、最初に母親に読んでもらったものが童話だと知り、分かるようになるという事がとても楽しいと思った。
カールの知識欲は留まる事を知らず、5歳となる迄の間に、先程の童話を始めとし、
“字”、“言葉”、“歴史”、“文化”“冒険譚”、等の本を読み漁った後、最後に魔術書をお願いして読ませてもらった。この時こそが、カールの運命が定まった瞬間だと言える
だが、5歳になり、適性属性を調べるまでは読む事以外は駄目だと父に言われ、カールは反対したが、抵抗は虚しかった。
そして今5歳になり、王都から無属性魔術師に適性属性を調べてもらいに屋敷に来てもらっている。
「それでは、御子息様の適性属性を調べさせて頂きます」
数秒後
「御子息様の属性適性は“氷”に大いに適性あり、”風“”無“に幾らかの適性あり
となっていります」
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物語としては今の所ゆっくり進める予定です
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