第89話 蹂躙
「っ!」
「イオリくん!」
俺たちが承諾したとほぼ同時に俺の体に衝撃が走る。
HPバーは一気にレッドゾーンまで減り残りHPが1になる。
「反応できないとは情けない、ほれ回復してやろう」
「イオリくん大丈夫?」
「あぁ、大丈夫」
不意打ちされたならやることは1つ
「はっ!」
やられたらやり返す!
しかし、俺が最速で放った斬撃は指先で止められてしまった。
勝てない、攻撃すると同時にそう感じてしまう程には目の前の女性と俺には力の差があった。
「なかなか早いが軽いの、それでは不浄の地にいる雑魚ですら傷もつけれぬぞ」
しかし、目の前のレアスキルのためにここで諦めるのなんてナンセンスだ。
そもそもここに来れるレベルになったとしてこの人に勝てるビジョンなんて湧かないだろう。
つまり、この人をどうにか満足させる連携を見せるのが俺たちの目指す目標だ。
「セナ」
「合わせるよ」
セナの矢が飛ぶのと同時に最速の抜刀をもう一度繰り出す。
止められるのは想定内
「『チェンジ』」
視界がブレると先程弾かれた矢に付いていたトカゲと入れ替わっていて背後を取れた。
セナを信じてもう一度振り始めていた刀は僅かながら衣服に傷をつけることが出来た。
「きゃっ!」
セナが吹き飛んだ。
目の前にいたはずの女性は消えており次は自分なのだと察する。
「『柳風』」
反射で出たカウンター技は確かに発動していたのだが圧倒的力の前ではアーツの力では押し切られてしまう。
「っ!」
「反応できたでは無いか、返せていれば100点満点だったんじゃがの〜」
俺もセナも何らかの状態異常が入っているらしく動くことすら出来ずに地面に倒れ込んでいるのに、そんな事は知らないとばかりに女性の話は続く。
「まあ、ギリギリ及第点と言ったところかのほれお望みのスキルじゃ、また強くなったら来るといいぞい、あ、次にあったら妾のことは師匠と呼んで敬うのじゃぞ」
師匠?がそう言うと俺たちの視点は暗転し、飽きるほど感じた浮遊感が終わると俺たちは遺跡の前に放り出されていた。
「いってて、ボロ負けだな」
「また来ようよ、次は傷の1つでもつけて見せるよ」
「そうだな、もう朝だし前へ進もうか」
「その前にアーツの確認はしなくてもいいの?」
「あっ」
『空蝉』
発動後、1秒間無敵になる
シンプルすぎる説明文だが書いていることは最強格で、明らかに現状のアーツの中で頭数個分飛び抜けている。
「ぶっ壊れだね」
「やばいな」
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いつも読んでくれてありがとうっ!
新作宣伝です!
読んでくれると作者が喜びの舞を1人で踊ります
『ダンジョン学園で落ちこぼれのダンジョンコアに召喚されたので俺がこの子を最強にしたいと思います』
学園×ダンジョンマスター×成り上がり
https://kakuyomu.jp/works/16818093082391586890
自分が読みたくて書いた作品なので、これを読んでくれてて作者と趣味が合う人はきっと面白いよ!!
今度こそ多分URL貼り間違えてないよ、うん
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