第85話 マイのとっておき
セナちゃんがやられた
イオリくんは何とか勝ったみたい、シュウヤさんはもう限界だしここで私が何とかしなきゃチームは負けてしまう。
「イオリくん、信じてあの人を助けてあげて!」
「っ!?」
返事こそ無かったものの理解してくれたのかイオリくんはシュウヤさんのカバーに向かってくれたこれであの人は大丈夫
セナちゃんが倒れてから約2分、アヤちゃんが強制的に送還されるまでもう時間は無い。
残りMPは2割……調整してた訳じゃないけど予定通りのいい残量ね、流石私ってところかしら
「アヤちゃん! 」
「っ! 分かりました」
少し驚いた顔をするアヤちゃんは可愛い、少し酷いことをお願いしちゃったなぁ、後でお詫びしなきゃね。
「これで決める!」
残りの魔力を全て使ってできる限りの魔法を展開する。
小細工は十分、後は運とアヤちゃんに全てを任せる……
私の目の前にカウントダウンの数字が刻まれる。
5
私の魔法を防ぎきった相手の魔法使いが反撃に転じる魔法を展開した
4
アヤちゃんが剣士を引き連れて私たちの間に割って入った
3
アヤちゃんと目が合った、申し訳なさそうにする表情は少し心に来るものがあった
2
「『縮地』マイさんごめんなさい」
「アヤちゃんありがと」
縮地でこちらに来たアヤちゃんは私を敵の方へ向かって蹴り飛ばした。
謝りながらも容赦のない一撃で吹き飛ばされる私の体は上手く誘導された敵2人の間に倒れ込む。
「逃がさないッ!」
残りカスの魔力で放つ拘束魔法
これで私の残り魔力は0
私の虎の子の条件は全て整った
◇イオリ視点
眩い閃光と共に吹き荒れる風と地面を揺らす地響きがフィールドを襲う。
それと同時に4つの通知が俺の耳に届く
マイが脱落しました
マイがセラフォルを倒しました
マイがユーシアを倒しました
アヤが強制送還で帰還しました
あまりに多くのことに脳のキャパを超えてしまいそうだ。
しかし、マイさんが作ってくれたチャンスなことに変わりはないのだこれで決めきらないと。
「ワシ1人になってしまいましたの……」
「降参してくれたりは?」
「もちろん……ヤり合いましょうぞ」
2対1のこの状況、しかしシュウヤさんはとっくの昔に限界が来ていたのだ。
レベル差のある戦いに自らの技量だけで喰らいついていた彼はもうHPもMPも集中力もすっからかん、マイさんがこちらに行けと言ったのは負け筋を潰す為だろう。
「イオリくん、合わせてくれるかい?」
「っ!? 分かりました」
やはりシュウヤさんもゲーマーだったようで、この逆境に奥さんが作ってくれたチャンスという最高のシュチュエーションにすごくいい笑顔をしている。
「ぬっ! 鬱陶しいですな! しかしお主を倒してしまえば後は手負いのタンクと戦うのみ!」
「ゲーマーっては! 手負いの状態が1番ポテンシャルを引き出せる!」
スキルを使わない受け流しで稼いだこの時間、これで決まるこれで終わりだ。
「断頭」
「っ!?」
名前を言うだけでも抑止力になってしまう即死技という最強のブラフを切る。
「『リベンジカウンター!!』」
「しまっt」
「ち、チーム! アヤしか勝たん! WIN! 見事優勝に輝いたのは! チームアヤしか勝たんだぁぁぁぁぁぁ!!」
終わった、もう動ける気力がないや
俺もシュウヤさんもベタりと地面に倒れ込んで最大な優勝演出をただ眺めている。
「イオリくぅぅぅぅん!! やったね!」
「パパっ!」
「あなたよく頑張ったわね」
「君こそ大金星じゃないか、誇らしいよ」
「ふふっ」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
近況報告でも言ったのですが不定期投稿になるやもしれませぬ。
テストも終わって色々バタバタも落ち着いた夏休みなのでこっから復活ですわ!
新作を近々あげるのでお楽しみに!
応援よろしくお願いします!!
コメント書いてくれた人、星くれた人、ハート付けてくれた人、読んでくれた人
皆さんのおかげで何とか再開のやる気が戻ってきました!! ありがとう!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます