第84話 イオリVSシュバルツ
1体1のタイマンが始まってからお互いアーツを使わない戦いが続いた。
着実にHPを削り続けてはいるのだが致命傷になる攻撃が当たらずこちらは一撃が当たれば即死する紙耐久。
アーツはお互いが警戒をしてなかなか使わない。
シュバルツくんのカウンタースラッシュだったか? レイド戦で見せたあのカウンターを食らう訳には行かないのでなかなかこちらも攻める手立てがないのだ。
「チッ、ちょこまかと鬱陶しい」
「こっちは食らったら負けなんでね」
忘れては行けないがこれはチーム戦であって個人戦ではないということ、時間をかけすぎれば敵が援護してくるかもしれない、逆に味方が援護してくれるかもしれない。
「っ!」
セナが倒れたという通知が俺たちに転機を伝える。
ずっと後方で斥候と戦ってくれていたセナが倒れたということはアヤもあと数分で強制帰還されてしまう。
「予定変更だ、急いでケリをつけるぞ」
「いいぜ? 直ぐに負かしてやるからよ」
近接で試合を終わらせに行くしかない。
カウンターは警戒しつつ縮地で距離を詰めて鎧のない部分を殴る。
大剣は懐に入られれば動きずらく攻撃も威力の低いものになる。
怯みは入らなかったが予想外の行動だったのか受けの姿勢が崩れて少しの隙が生まれる。
しかし、そこを突いたところで殺しきれないのでもう少し大きい隙を作るために蹴って殴ってを繰り返す。
「なっ!」
「らぁぁぁっ!!」
怯みがやっと入り止まったシュバルツくんを本気で蹴って転ばせる。
シュバルツくんの残りHPは3割ほどこれで決め切る。
俺の刀がシュバルツくんに直撃しそうになった瞬間斥候の男の人が俺とシュバルツくんの間に割り込んでポリゴンとなって消えた。
「っ!」
「『ヘビースラッシュ』」
飛び散るポリゴンの先では赤いエフェクトを帯びた大剣を構えるシュバルツくんがこちらを睨んでいる。
直撃すれば即死、上手く受け流せたところで生きれるかどうか分からない。
「『柳風』」
アーツにはアーツで対応する。
そうしないと確実にダメージを負ってしまう。
柳風は攻撃を受け流しながら敵を切りつけるカウンター技だ。
個人戦の虎の子だったのだがここで渋るほど俺は個人戦に拘っていない。
土壇場で完璧に決める自信なんて全くなかったがやるしかない。
「チッ、最後までちょこまかと鬱陶しいな、てめぇの勝ちだよ」
「かっ、勝った……」
赤に輝く力のこもった大剣と白く光る研ぎ澄まされた刀がぶつかり上手く力を受け流したにも関わらずまだ手に少しピリピリとした感触が残る。
俺はシュバルツくんとの戦いに勝ったのだ。
しかし、未だ俺達の劣勢は変わらないアヤが帰還してしまえば人数差がまた縮まってしまう。
だからこそ俺が決着をつけなければ勝利は危ういだろう。
この中で1番俺が強気に出れるのは魔法使いのお姉さんだ、マイさんの援護のためにも急いで魔法使いの元へ向かう。
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次回へ続くということで
投稿は俺が余裕出来れば再開します。
1週間と少しすれば確実に暇になると信じてます
ではまた
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