第83話 決勝

 準決勝が終わり残ったのはノイマンさんのチーム

 少しの休憩を挟むと俺たちの決勝戦が始まる。


「さぁ! 始まりました決勝戦!」

「イオリ率いるアヤしか勝たんVSノイマン率いるパラディンロードだぁ!! どちらも磨かれた技術と受け継がれたアーツによってここまで勝ち上がった! 現状最高峰の開拓者たちによる戦いが今始まるっ!」


 今までにないほど長い紹介、そして観客席の中でも一際警備が厳重で特別仕様の席には今までに居なかった国王らしき人が座っている。

 決勝ということで見に来たのだろうか? もしこれがイベントに派生するなら勝っておきたいところだ。


「お久しぶりですな、うちの孫の感謝も伝えたいところですがまた別の機会にしましょうか」

「そうですね、また別の機会に」

「両者の準備が整ったようです! それでは皆さんご一緒に!」


『3』

『2』

『1』


 歓声に包まれながら始まった決勝戦

 様子を見る暇なんてない、相手の魔法使いがかなり手練で時間をかけてHPが削られればこちらがジリ貧になる。

 マイさんとセナの援護を貰いながら何とか1人を倒し切りたいがノイマンさんを突破する術が見つからない。


「来ねぇならこっちから行くぜぇ! 『破断はだん』」


 シュバルツくんの大剣がシュウヤさんに振り下ろされる。

 上手く受け流したみたいだけど、このままじゃ削りきられてしまう。

 カバーに向かうにもノイマンさんが必ず邪魔をしに来るだろう。


「イオリくん! アヤちゃん!」


 セナの声が後ろから聞こえてくる。

 背後から光の矢が俺たちを通り過ぎ、ノイマンさんを掻い潜って相手の弓使いに命中する。


「「『縮地』」」


 1番この盤面を把握しているセナが狙った弓使いをここで落とし切る。

 アヤも同じ考えだったのか、2人で同時にノイマンさんの両脇を縮地で通り抜ける。


「スモーク」


 追い打ちをかけるようにマイさんの土魔法によるスモークでノイマンさんの視界を遮る。


「「はっ!」」


 アヤと俺の刀が弓使いの体を切り裂く。

 既に4割ほど削れていたHPが一気に削れていき弓使いが倒れた。


 何とか1人落とせたという安堵が良くなかった。


「2人とも避けて!」


 敵魔法使いの詠唱が終わり、俺たちに向かって飛んでくる無数の火の槍。

 縮地は連続使用が出来ない、エアロステップは発動しているが避けれるかどうかは賭けと言ったところだ。

 俺はアヤに素早く駆け寄ってアヤを突き飛ばす。


「パパっ!」


 少なくともこれでアヤは何とか耐えることが出来るだろう、あとは奇跡でも願って死ぬのを待つだけだ。


「セナくん!」

「チェンジ!」

「『マジックガード』」


 ギリギリのところでシュウヤさんと俺の位置をチェンジで変えることが出来たようで俺は生きていた。

 しかし、陣形はボロボロでシュバルツくんを無視して入れ替わったせいで俺の目の前には大剣を振り上げたシュバルツくんが居る。


「死ねっ! 『断罪』」

「『縮地』」


 ギリギリ再び使えるようになった縮地で転がるように大剣を避ける。

 俺がここでシュバルツくんを1人で抑え込まなければこの戦いにはきっと勝てない。


 全員が全員ギリギリだ、シュウヤさんは削れたHPでノイマンさんに喰らいついている。

 マイさんは魔法使いを抑えようと必死で魔法を連発している。

 セナは裏を取ってきた斥候に襲われてピンチだ、助けに行きたいが耐えることを信じるしか今の俺には出来ない。

 アヤは残りの1人を倒そうと奮闘している。


 ここで俺かアヤが倒して誰かのカバーに行かなければ負けは必至。


「何考え事してんだよっ!お前の相手は俺だ」

「こっちもいろいろとあるんだよ」

「なら、さっさと斬られて楽になったらどうだ?」

「絶対に嫌だね」


 しかし、よく考えてみれば1体1をさせてくれてるのだ、楽しまなければ損だ。

 絶対にこいつを倒してチームを勝たせてみせる。


「なら、楽しもうぜ?」

「もちろんだよ」


 戦闘狂対戦闘狂の戦いが始まった。




 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 次回へ続く!

 ノイマンチームの名前が思いつかなくってめちゃくちゃ適当w


 最近現代ファンタジーの新作を準備してるんですけど、これがなかなか難しくて……

 気づいたらラブコメになってるんですよね

 なんで?って感じなんですけど自分でもなんで?って思ってます。


 またいつか宣伝に来るかもなのでその時はぜひ見ていただけると嬉しいです。

 異世界のやつもちょっとずつ進めまっせ。


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