第79話 本戦

「頑張るぞ〜!」

「「「「おー!」」」」


俺たちはパーティ、個人ともに本戦に行くことが決まったメンバーが多い。

シュウヤさんは今回個人戦に出るのをやめたらしいがパーティの方には出てくれるということで待合室に居る。


「それにしても凄い技術ね」

「時間加速だっけ?」

「こっちでの一日が現実の1時間になるっていうとんでもない技術みたいだね」

「まあ、今更こんな事だと驚かなくなってきたな」

「それもそうね、とんでも技術はこれだけじゃないもの」


時間加速が始まるとログイン時のような感覚が俺たちを襲う。


「さぁさぁ! 皆様、いよいよ始まりました! 第1回開拓者闘技大会! 王都の外れにあるこの寂れた闘技場は我がマニーラ商会の提供によってイベントが開催できるまでに姿を取り戻しました!」

「これから始まるのは開拓者の中でも選りすぐりのエリート達による本気の戦い! 観客には現国王のサルバン様やいろいろな街のギルドマスターまで! 豪華なメンツが揃っております!」


王都の王様が見に来ているのは初耳だ。

司会者がじゃじゃーんと言った感じで王様の方へ視線を誘導しているので誰が王様なのか一発でわかった。

王は思ったより若く、ガタイもいいのでまさに戦える王様といった感じだ。


「開拓者の皆、そなたたちの活躍は私の耳に入ってる、これからも活躍を期待しておる」


渋い声が闘技場に響く、一通り国王が喋り終えると盛大な拍手と歓声が湧き上がる。

俺たちは第3試合目なのでまだ少し時間に余裕がある。


「そうだ、屋台とかいっぱい出てるらしいから見に行きましょう!」

「他の人の試合観なくていいんですか?」

「分析はあの人に任せておきましょう、私たちは全力で楽しみましょう、アヤちゃん行きましょうか」

「はいっ!」

「アヤちゃんも行きたそうだし、シュウヤさんお願いしてもいいですか?」

「あぁ、遊んでくるといいよ、楽しんでね」


俺たちは待機部屋を出ると闘技場の外にある屋台が沢山ある場所まで来た。

焼き鳥、マンガ肉、わたあめ、焼きそば!?

麺類、夢のマンガ肉まで屋台の本気度が感じられるラインナップが揃っている。

こういうのはどこから仕入れているのだろうか?


「おじさん! マンガ肉1つ!」

「はいよ〜、ちょうど焼きあがったのがあるんだ、焼きたてだぞ」

「やった!」


セナとマイさんはアヤを連れて早速楽しんでいるので俺も負けずに楽しまなければ……

焼きそば、マンガ肉、射的にくじ引き、えびせん

片っ端から遊んでいるうちに2試合目が始まったらしくそろそろ戻ってこいとメッセージが来た。


「シュウヤさん、今戻りました」

「「「ただいま〜」」」

「おかえり、そろそろ決着がつきそうだし僕たちの番は案外すぐ来そうだね」

「楽しみ〜」

「パパとママのためにも頑張ります!」

「勝とう!」


「「「「おう!!」」」」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る