第77話 サンドバック
「なかなか強くなったじゃないか」
「
「なんだ、開拓者の男は私みたいな美人に踏まれるのが好きだって聞いたんだがな」
「いってて、自分で言うんですか」
「あぁ? 私が美人じゃねぇって言いたいのか?」
「いえ、とても美しい方だなと常日頃から思っております」
「そうだよなぁ?」
「はい!」
実際に美人だから文句もあまり言えないのだが、ギルマスに変な知識を吹き込んだやつには文句を言ってやりたい気分だ。
俺は何度も言うがドMじゃない!
瀬奈にされるなら良いかもなんて思ったことは一切ない……ないぞ!
「それにしても、そろそろ開拓者達が戦い合う機会があるんだってな、お前は出るのか?」
「はい、それで強くなるためにギルマスに会いに来たんですよ」
「そうか、なら少しアーツを教えてやろう、今から風魔法と体術だけで組手をするぞ」
「分かりました」
近くで観戦しているミーシャさんにお互い武器を預け拳を構える。
正しいファイティングポーズなんて知らないのでギルマスの構えを見様見真似で再現してみる。
「行くぞ」
「っ!」
返事をする間もなく目の前まで詰めてきたギルマスに対抗するため、足払いを出そうとする。
「え?」
風の音共に俺は地面に倒れていた。
踏み込んできたギルマスの足を目掛けて放った蹴りは空振りそのまま俺は転けたのか、それともギルマスに何かされたのかそれすらも分からない状態だ。
しかし、時間を無駄にする訳には行かないので直ぐに立ち上がって余裕といった感じのギルマスにもう一度ファイティングポーズ取る。
「っ! 見えたっ!」
「なかなかやるじゃないか」
「あぐっ」
ギルマスの動きを何とか目で追うことには成功したが体が追いついて来れないので呆気なくまた転ばされてしまう。
ギルマスは多分風魔法で自身のスピードを瞬間的に強化しながら格闘技を俺にぶつけているのだ。
一瞬、ギルマスがブレたかと思うと次の瞬間には俺の目の前にいる。
「これはエアロステップの応用だ、まだお前じゃここまで早い動きはできないと思うが上手くエアロステップの風を操作出来れば格段にスピードが上がる」
「ただ風を纏って体を軽くするアーツじゃないんですね」
「追い風という言葉があるだろう、あれを魔法で体感出来るまでに強化したのがエアロステップだからな、追い風を最大限自分の動きに合わせて使うことが出来ればもっと早くなれるぞ」
その後もエアロステップのみでの組手は続き、投げられ、吹き飛ばされ、転ばされめちゃくちゃボロボロにされたが格段に近接の動きが良くなったと感じれる。
「ついでにこれを覚えていくといい、格闘技を使うなら覚えていて損はないからな」
『エアロブレイク』
消費MP5~
格闘技や打撃に風の追加ダメージを乗せることが出来る。
一定以上の魔力を乗せると相手にノックバックと低確率で怯みデバフを付与できる。
ブレイクと何かを破壊しそうな名前だが効果はシンプルで打撃や体術に風魔法で追加ダメージを入れてくれるというもの。
魔法の応用でも再現できそうな内容だが、一定以上の魔力を込めた時に真価を発揮するタイプのアーツらしく怯みのデバフが確率で付与できるらしい。
強い敵にもワンチャンを狙えたり、怯みがあることで強気に出られるのは嬉しい。
こんな技を覚えてしまうとさらに近接での格闘を織り交ぜた戦いを勉強しなくては行けないのでまた誰かを捕まえて練習に付き合ってもらおう。
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よし、次からいよいよ予選大会が始まるのでイオリの本戦までもう少しお待ちを
昨日は書けなくてごめんなさい、最近ちょっとスランプ気味なのかあんまり上手く書けないんですよね
(´ω`)トホホ…
頑張りますので、ぜひ星や♡で応援よろしくぅ
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