第76話 アヤ最強!

「お疲れ様」

「やっと1本取れた......」

「ふふっ、少し油断しちゃったわ」

「パパ、私と少し模擬戦をしましょう」

「え?」

「早く立って、やりましょう」


 アヤに誘われて模擬戦をする事になった。

 アヤに刀を向けるのは少し抵抗があるが当の本人は一切気にしていない様子なのでこちらも本気で行くことにする。


「ふっ!」

「......」

「うおっ!?」


 踏み込んだ所へアヤの足払いが直撃し、転けてしまう。


「パパは刀の振り方は綺麗なんですがそれ以外に出来ることが少なすぎます、相手にした時のウザさが足りません、もう少し刀に嘘を混ぜれば戦いやすくなると思いますよ」


 嘘というのはディレイをかけたりということだろう。

 よくよく考えれば頭の中に選択肢はあったはずなのになかなか使ってこなかった技術かもしれない。


「パパは強いんですから、もっと強くなって私とママを守ってくださいね」

「もちろんだ」

「やったぁ」

「可愛っ」


 あ、セナが胸を抑えて倒れ込んだ。

 アヤの可愛さにやられてしまったらしい、純粋に喜ぶアヤの姿は天真爛漫な少女と言った感じで気を抜くと俺も顔が緩んでしまいそうだ。


「じゃあもう少し模擬戦しましょう」

「ありがとう」

「気にしないでください、パパはもっと強くなれます」


 それから少しだけ模擬戦に付き合ってもらい、お礼ということで俺達は王都で少し遊ぶことになった。

 マイさんは逃げたシュウヤさんをはっ倒してくるといってログアウトしていったので当分帰ってこないだろう。


「あのお店に行こうか」

「アヤちゃんもそれでいい?」

「はいっ!」

「んふふ、可愛い、じゃあ行こっか」


 ご飯を食べてのんびり街を歩きつつ気になるところに入っては満喫する。

 ゲームの中なのでお金の心配も特になく、楽しむことだけに集中出来るのはVRゲームの魅力だ。


「ふぅぅ、遊んだね〜」

「かなり色々見に行ったな」

「今日だけで服が何着も増えました......」

「可愛い子に可愛い服を着させるのは義務だと思うんだ! ね!」

「そうだな、アヤ可愛かったぞ」

「わ、悪い気はしません」


 そろそろセナはログアウトするらしくアヤとセナは宿に帰っていった。


「さてと、転移イニティム」


 俺は強くなるためにある人にもう一度教えてもらう事にした。

 運が良ければ訓練ついでに新しいアーツを教えて貰えるかもしれない。


「あ、こんばんはイオリさん」

「ミーシャさんこんばんは」

「今日は依頼ですか?」

「ギルマスさんに用事があって」

「あぁ、ちょうど執務室で資料に追われて死にかけてますよ、今行くと難癖つけられて八つ当たりのサンドバックにされるので誰も近寄りませんけど」

「ちょうどいいや、ギルマスさんに会いに行ってもいいかな」

「あ、はい、案内しますね、やっぱりイオリさんってMなんじゃ......」


 あらぬ疑いをかけられている気がするがそれを訂正するのはまた今度でもいいだろう。

 今はとりあえずギルマスの八つ当たりに付き合ってさらなる高みを目指すのが先だ。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

時間なかった......短いすまん



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