第45話 顔合わせ
「ちょっと早めに着いちゃったかな?」
「誰かいるみたいだぞ」
少し早めに集合場所に着くように集合したのだが俺たちよりも早いパーティが居たようだ。
しかも、どこかで見たことがあるような気がする。
「ん?じっちゃん、噂をすればだぜ?」
「ふむ、あなた達も早いですな」
「「おはようございます」」
「ノイマンさんとシュバルツさんで合ってますよね?」
「そちらはイオリ殿とセナ殿ですな?」
「はい」
ノイマンさんは背中に大盾と腰にショートソードのような剣を携えている、白髪のおじいさんといった感じのアバターだ。
シュバルツさんはというと、大きな大剣と皮と鉄を織り交ぜた鎧を着た青年で、髪色や目の色で昔の俺のアバターを思い出しそうになってしまう。
「なかなか、厳しい戦いになりそうですがよろしく頼みますぞ」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
「ほら、シュバルツも」
「…よろしく頼む」
まだ時間はあるのでノイマンさんとセナ、シュバルツさんを混ぜてセトラの話をして軽い情報交換をする。
2人とも最前線を走っているだけあってなかなか興味深い情報を得れたみたいだ。
そんなところに1人の男性が小走りで近ずいてくる。
「すみません、4人ともレイドに参加する方で間違いないですか?」
「はい」
「そうじゃよ」
セナとシュバルツさんが続いて頷くと男性はホッとしたような表情をした後に少し真剣な面持ちで尋ねてくる。
「このレイドを配信したいのですが、隠すなどそういった配慮ができないので誰か一人でも断る方がいるなら配信をしない予定なのですが大丈夫でしょうか?」
「ワシらは大丈夫じゃよ」
セナの方を見るとどちらでもいいよといった感じなので俺達も大丈夫だと声をかけると一言礼を言うと他のプレイヤーに声をかけるために走っていった。
「始まりそうじゃな」
「やっとかよ〜」
「開拓者達、集まってくれて礼を言う!あのモンスターまでの道案内はこのギルド職員が行う、ギルド職員は戦闘には参加出来ないので発見し次第、隠れるようにと命じているのでどうか守ってやって欲しい」
「よ、よろしくお願いします……」
「そして!今回、私はあのような強力なモンスターがいる状態で街を離れることができない、よって開拓者達に全てを任せる形になってしまうことを許してくれ」
「それでは、健闘を祈る」
ギルド職員の人による案内が始まり、道中のモンスターはセナや他の遠距離職の人が近づく前に殺してしまい、やることが無かった。
「こ、ここからまっすぐ行ったところに奴はいます、私は視認される訳には行きませんのでここまでになります、皆様どうかご無事で……」
あの時、手も足も出なかった怪物にリベンジするチャンスがやってきた。
弱っているとはいえ、格上なのに変わりは無い。
「それでは皆さん、行きましょうか」
「役割は道すらがらに確認しましたし、大丈夫ですよね?」
『おう(はい)(あぁ)』
20と少しの人数が集まれば返事だけでも圧がある、心強い味方ともに立ち向かうは手も足も出なかった怪物。
2度目はないかもしれない、この1回に俺の出せる全てを出し切る。
アォォォォォォン
咆哮が森に響き渡る
戦いが始まるっ!
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ノイマンの〇〇さん呼びを殿呼びに変更
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