第34話 イベント開始

「よっし」

「準備万端!」


 イニティムの中央広場に多くの開拓者が集まっていた。

 その中央には二対の剣を腰に携えたこの街のギルドマスターがたっていた。


「ギルド員の調査によりモンスターの動きがおかしいことがここ数週間で分かった!そしてその原因は邪神の欠片だ!モンスターは今もこの街に進行してきている、この街が滅べば新たな開拓者達を歓迎する場所が無くなる!お前たち!この防衛戦に世界の命運がかかっていると思え!」


『『『『うぉぉぉぉぉ!!!!』』』』


 ギルマスの演説と共に開拓者や現地の冒険者から一気に歓声が上がる。

 そして、開拓者や冒険者が散り散りに各地へと散っていく。


「私達も行こっか」

「おう」


 俺達は予定していた作戦通り、北門を出て森の方へと走り抜けることでモンスターの大群を横から叩く。

 正面から戦えば他のプレイヤーに巻き込まれてまともなプレイが出来ないだろう。


「登れるか?」

「ちょっと手を貸してほしいな」

「よっ」

「よいしょっと」


 全貌を把握するために少し高めの木に登る。

 モンスターの大群が通るからなのか地響きがしていて、こちらにもモンスターが流れてきている。

 セナの弓でワンパンできるような弱いモンスターばかりなのは救いだろう。


「凄い数だな」

「これは......予想以上だね」


 木の上から見えたモンスターの大群の全貌は恐ろしいものだった。

 広大なマップを不規則に埋め尽くす色々な魔物たちが雪崩込むように街へと進んでいく。

 後ろの方に行けば行くほどそこそこ強そうなモンスターの姿がちらほらと見える。


「もう少ししたら後ろの初心者じゃ勝てなそうな敵を倒して逃げようか」

「そうだね、ちょっと待ってて配信つけちゃうね」


 このイベントで俺たちの目標は上位に食い込むではなく1位と2位を独占することである。

 レベル的にも無理では無いと感じているので難癖つけられても大丈夫なように配信に残しておくようだ。


「よしっ、大丈夫だよ」

「行こうか」


 モンスターの大群に城壁から魔法が放たれる。

 数は減ったが勢いを削ぐことは出来ずに正面からモンスター達と前線にいるプレイヤーがぶつかる。


「今だ!」

「『ウルフ』×2『ひよこ』とっておきの『鷹』!!」


 セナがひよこを付けた矢を飛ばしモンスター達の注意を逸らす。

 それによってできた隙間を機動力のあるウルフや鷹、そして俺が一気に突っ込むことで手強いモンスターの所まで走る。

 セナは遠距離から援護をしてくれるそうだ。


「バゥ!!」

「ピィーーー!!」

「はっ!」


 なかなかこの子達は賢いらしく俺のサポートに徹してくれている。

 おかけで俺は正面の敵を斬り裂くことに集中していればいいのでガンガン前に進む。


「ぴよぴよ」


 遠くから少し離れた場所にひよこ付きの矢が突き刺さる。

 モンスターの注意が逸れてまた道が出来上がる。


「見つけた!魔刀まとうのお披露目だ!」


 風を使い、現状最高速度の居合を熊のモンスターに向かって放つ。

 首を狙った一撃は熊が反応することすらできない速度で当たり、熊モンスターのHPを全損させる。


「よしっ!次!」


「ぴよぴよ!」


 俺の頭上をひよこ付きの矢が通り過ぎる。

 次の敵はそのまままっすぐ行けば会えるらしい。

 セナによる手厚いサポートのおかげで俺たちは迷うことなく、モンスターを狩り続ける。


 1匹、2匹、3匹、4匹


 順調に目標のモンスターを倒し続けていたのだがウルフが2匹ともやられてしまった。

 撤退の合図に光虫がついた矢が上空で弾ける。


「これ逃げ切れるかな!」


 俺たちが通ってきた道は少なくなっているとはいえモンスターが居る。

 ちょくちょく被弾もしているし、回復している時間もないのでギリギリになるかもしれない。


「ホーー」

「冷たっ!」


 どこからともなく飛んできたフクロウに回復薬が入ったビンを投げつけられた。

 体力は回復したのはありがたいができるなら事前に言っておいて欲しかった......


「びっくりした〜......これなら駆け抜けれそうだな」


 びっくりはしたがHPがかなり回復したのでこのまま多少の被弾は許容すれば走り抜けれるだろう。

 相変わらずひよこ付きの援護射撃や進行方向のモンスターが射抜かれていたりとセナの異常なまでのサポート性能をこれ以上ないほどに発揮出来ている戦場だ。


「おかえり」

「ただいま、フクロウの回復できるなら事前に言っててくれよ......」

「やっぱりびっくりした?作戦成功!」

「わざとかよ!」

「そうだよ!」


 ニヤニヤと笑う姿はイタズラの成功した子供のようだ。

 ちょくちょくヘイトがこちらに向いたモンスターを倒しながら次の突撃のために準備を整える。

 第1波であろう先程の大群はもう半分を切りそうな程に数が減っていた。

 俺たち以外にも横から攻撃しているプレイヤーがいるらしくかなりあちこちで戦闘が起きているようだ。



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 投稿遅れに遅れてすみません......

 最近体調不良が続いてましてもう治りかけだとは思うので投稿は続けます。


 作者自身、気まぐれや体調不良により更新できないことがあるかもしれませんので

 作者自体をフォローしていただけると近況ノートなどで報告が入るかもしれません。

(狡い宣伝でごめんなさい(´>∀<`)ゝ)

 モチベに繋がるので是非ともよろしくお願いします!

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