第29話 初めての魔法は

「すみませーん」

「はいはい、どうしたんだい?」


魔法具店に入って出迎えてくれたのは若いお姉さんだった。白髪でどこか怪しい雰囲気を纏っているのだが不思議と警戒心はなかった。


「魔法を買いに来ました」

「へ〜、魔法は使ったことあるのかい?」

「ないですね」

「なら、少し値引きしてあげるよ、おすすめは基本属性だけどどうする?」

「属性ですか......」


そういえば考えていなかったな。

今の所持金で買えるのは1つだし、大切に選びたいけど......


「君はどういう戦い方をするんだい?」

「えっと、これを使うんですけど」

「......へぇ、これまた曲者を使うんだね」

「曲者ですか?」

「本人の技量が試される武器だからね、魔剣っていうのは本来剣士には必要のない機能が備わっているんだよ、だから普通の人が使えば同じ値段でちゃんとしたものを買った方が強い」

「使いこなしてみせますよ」

「そうか、なら風魔法をおすすめするよ」

「風ですか」


イメージはできるけどパッとしないから選択肢から除外しようかと悩んでいたのだがなにかおすすめの理由があるのだろうか。


「風魔法なら剣を振る時に補助できたり切れ味をあげたり刀を補佐できる性能になるからね、最速の一撃を繰り出したいなら風だね」

「買います」

「即決だねいいのかい?」

「買います!」

「20万マニだよ、毎度ありー」


ちょろいって?

最速の一撃なんてこと言われたら買うしかないだろ。

確かに刀と言えば目にも止まらぬ抜刀で敵を切り倒すスタイルがかっこいいのだ。


炎や水などを纏わせるのはまたいつかお金が貯まったら考えてよう。

さっそく魔法スキルを習得する。

風魔法Lv1

ついに魔法をゲットしたのだ、あとは使いまくってレベルを上げるだけだ。


イオリ Lv29

HP 100/100

MP 50/50

STR 50

VIT 10

INT 50

DEX 150

AGI 80


レベルも上がったのでイニティムではなくガラハ周辺で敵を倒すことにした。


「魔法は強くイメージするんだっけ?」


一応設定された呪文があるのだが自分で考えた魔法を使えるのもこのゲームの面白いところだ。


鞘の中に風を溜めて

一気に解放する!


「うわぁ!?」


刀が押し出されて前に飛んでいく感覚についていけず刀が吹き飛んでしまった。

やはり練習が必要らしい。

MPも少ないのでコツコツ練習するしかないようだ。


「あ、MPポーションあるじゃん」


急いで街に走って戻り、MPポーションを爆買いしてからもう一度街の外に行く。

何度も何度も試した結果、いくつか技ができた。


まず、鞘に空気を圧縮して解放することで抜刀のスピードを上げる技。

普通にやるより2倍ほど早いのだがまだ微調整が難しいので狙ったところに攻撃を当てることが難しい。


そして2つ目は常時風を刀に纏わせることで刀を軽量化しながら少しだけ切れ味を上げる技だ。

常時発動するとMP消費が激しいので要所要所で使っていく判断が必要な技。


他にも鞘に石を入れて飛ばすという技を考えたのだが隙間だらけで上手く風の力を加えられないのであまり実用的ではなかった。


「やべ、もう夜じゃん」


1人だと夜フクロウを狩るのはまだ危険なので急いで街に戻る。

やることも無いので1度ログアウトしてセナに進捗報告でもしに行くことにする。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

短いです......ごめんなさい

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