第28話
【チーター】チーター発見
:これ見てくれよ
そこにはイオリが森のモンスターを片っ端から殺しながらある場所に向かっている映像が収められていた。
現状苦戦する人が多いモンスターを淡々と殺していく姿はチーターと間違われても仕方がないほど異質だ。
:やば、攻略組の人かな?
:チートはないだろ
:その人問い合せたことあるけどちゃんとしたプレイヤーだよ
:ギルド前で喧嘩してた人じゃんw
:あの人こんなに強くなってんのか
:おい、誰か狂犬の手綱握れよ!あの召喚士どこにいるんだ?
:飼い主不在の狂犬が暴れてるw
:誰か〜飼い主を呼んで〜
:呼んだら手が付けられなくなるだろ!
昔、レティアを知っている人達にしか分からないノリなのだがイオリとセナのコンビはかなり有名で暴れ回るイオリを的確にサポートし続けることからセナの2つ名は「飼い主」になったのだ。
実際のところは手綱を握って止めるどころか、手綱を握りながら2人で爆走するコンビなのである。
:狂犬?飼い主?チートじゃないのかよこれ
:背後からの致命の一撃入ってるしある程度レベルがあるならその森くらいなら何とかなるじゃね?
流石にワンパンはイベント入手系の武器使ってるんだろうけど
:火力ゴリラがもう少し奥の敵を正面からワンパンしてたしチートじゃないかな
:流石にこの速度でこんなことされたらチート疑っちまうわな
:分かる、狂犬って事前に分かってないと疑ってたかもな
こうしてイオリのチート疑惑は本人の知らないところで幕を閉じた。
「ふぅ、蜂こっわ」
ミーシャさんの言うことはどうやら正解だったらしい。
手土産を持って帰ろうと蜂の巣周りにいた蜂から倒そうと1匹倒した瞬間大量の蜂が巣から出てきたのだ。
そこからは逃亡劇だ。
走り続けて追いついてきた蜂を切りを落として。
追跡が終わった瞬間、蜂が戻るスピードより早く巣まで戻って手薄な蜂の巣を1部切り取ってまた走って逃げた。
成果は上々だったのだが今度の蜂は逃がしてくれないらしく予備の剣がぶっ壊れるまで蜂を殺し続けた。
一か八かで仕掛けた女王蜂へのインファイトがなければ俺はそのまま嬲り殺されていたはずだ。
女王蜂を失った蜂たちはちりじりになって消えていった。
「はぁ、まあ、目的のはちみつはゲットしたし、こんなに要らないよな......」
巨大な蜂の巣まるまる1個のはちみつの量はとんでもなく多い。
これが貴重品になるということは隠密して少し取って逃げるのが想定されたとり方ということだろう。
はちみつ×650
牛乳瓶程の大きさの瓶に詰められた大量のはちみつは市場に流すのを躊躇う程の量である。
当分は小出しにしながら売るしかないだろう。
「とりあえず蜂の素材やら色々売りに行くか......」
予備の剣も買い足さなければ行けないしなかなか出費も重なりそうである。
しかし、レベルは目標を超えたのでついに俺も魔法と刀を使うかっこいい侍を目指せるのだ。
「あの、もう驚きませんからね?」
「残念です」
しかし、俺は今日驚いた顔を見に来た訳では無いのだ。
俺には秘密兵器!HA・THI・MI・TU!!がある。
「今日はこれを売りに来たんですよ」
「こ、これは......」
「これを100個ほど売ろうかと」
「ひゃっ、ひゃく!?」
「はい、100です」
「い、1個くらい私に売ってくれても......」
「こちらはお世話になってるミーシャさんへのプレゼントです」
「ひゃっ!?」
きゅ〜バタンという擬音が出そうな倒れ方をしたミーシャを見て周りの職員が駆けつけて来たが総じて同じような反応だった。
はちみつのちからは偉大だということだ。
「ん?小僧、流石に人が少ない時間だからってうちの職員を手篭めにするのはいただけないぞ?それにこんな数」
「してません!!」
なんてこと言うんだこのギルマス。
なんというか一昔前のおじさんを感じるのは気の所為なのだろうか。
「ほう?はちみつかめんどくさかっただろう」
「はい、剣が1本ダメになりましたよ」
「まあ、1本で済んで良かったな」
「ははっ、危なかったです、とりあえずご迷惑をおかけしたお詫びにギルドの人たちへこれをミーシャさんにはこれをお願いします」
「ふむ、私は酒が好みなんだがまあ貰っておこう」
「はは、いつか見つけてきますよ」
「そりゃ楽しみだ」
ギルドから出て鍛冶屋に向かう。
今回の報酬はなんと80万マニ、なんだってできる。
鍛冶屋で最初に見せて貰った刀も買って、魔法スキルも買うか......
それでもお金は余るし......
豪遊できるって最高!!
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作者です!
昨日はすみませんでした......
ミーシャ可愛い!!
こればっかりは異論を認めたくない!!
可愛いの!!
あ、豪遊もしてみたいよね
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