第20話
「ふぅ、待てよ、急に動悸が止まんねぇ」
ベットから起き上がり、スマホの連絡先に並ぶ長谷川という名前を見て動悸が止まらなくなっていた。
セナ=初恋
セナ=長谷川さん
初恋の人=長谷川さん
この式が頭の中に出来上がって、現実を再確認した瞬間に謎の動悸が俺を襲い始めた。
「大丈夫、大丈夫、そんなこれからもゲーム友達ってだけ、うん、もう4年も前だし」
声に出して自分に言い訳をしながらかなり長い時間森を探索していたのでもうそろそろお昼だ。
大学には間に合うし、ゆっくりと準備をしてから向かうくらいの余裕がある。
長谷川にはまた夜になら行けると連絡を入れる。
戸崎:夜ならログイン出来ますけど長谷川さんはどうですか?
長谷川:私も大丈夫です
現実に戻るとお互いやはり敬語に戻ってしまう。
まだどこか現実だとよそよそしい感じになってしまうのは仕方の無いことだろう。
「あ〜、行きたくね〜、セトラ三昧するつもりだったのに……」
◇長谷川side
「うぅ〜、ど、どうしよう、変じゃなかったかな、敬語やめていいのかな?またあったらなんて話しかけよう、相変わらず戦ってる時のイオリくんはかっこよかったな」
イオリが動悸でおかしくなりそうになっていた時、セナもまた自分の行動を振り返って悶えていた。
「ふぅー、今日は予定ないし、どうしよう道場に顔を出そうかな?夜までイオリくん居ないみたいだし」
天才なだけあって習い事のように決まった日に稽古に行く訳でも無く、ふらっと現れてはアドバイスをしたり凄さを見せつけてふらっとどこかへ行く。
昔は通っていたのだが辞めると言った時にたまにでいいから来てくれと懇願されたから出来ることなのである。
「ん〜、レベル差あるし追いついちゃおうかな」
イオリはあの初期では考えられない良武器で不意打ちを決めまくったおかげであのレベルになっているのだ。
普通はセナのレベルでもありえないくらい高いはずなのだが隣にいる人物のせいで満足出来ていなかった。
「よしっ、レベリングしてイオリくんを抜かしちゃおう」
レベリングするためにもう一度ログインして宿を出る。
普通に外に出ても敵が高レベルで1人だと負ける可能性すらある。
「ん〜、異世界に迷い込んだみたいで楽しいかも」
周りにはNPCしかおらず、NPCは普通の営みをしているのだ。
何ら、私たちの現実と変わらない営みを
和気あいあいと話す主婦の人達、冒険者ギルドには依頼から帰ってきたであろう冒険者がちらほらいて飲んでいる。
子供たちは元気に遊んでいるし、猫や鳥、色んな人や生き物が普通に生きている。
ゲームを感じさせないその姿は運営の努力の賜物なのだろうか。
「そこの若い開拓者様、1つ占いでもどうですかな?」
「え?私ですか?」
「そうじゃよ、今ならそうじゃの5000マニでどうじゃ?」
「そう、ですね」
占いか、お金はそこまで困ってないし受けてみるのはありかもしれない。
案外なにかのクエストの引き金になってたりしそうだし……
「お願いします」
「そうかい、それならここに座りなさい」
「はい」
目の前のローブを羽織った女性は見た目は物凄く若いのに喋り方とのギャップがあった。
しかし、女性のどこか普通じゃない雰囲気がそれを納得させてしまう。
水晶に手をかざし、もう片方の手で私の手を取る。
私のステータスに突如見たことの無いアイコンが表示された。
「ぁぇ?」
「大丈夫、直ぐに終わるわ」
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最初の街の名前はイニティム!
書くの忘れてて急いで朝書いたので許して……
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