第19話 限界

 イオリ Lv20

 HP 100/100

 MP 50/50

 STR 50

 VIT 10

 INT 10

 DEX 100

 AGI 80



 セナ Lv18 ステータスポイント10

 HP 100/100

 MP 50/50

 STR 10

 VIT 10

 INT 40

 DEX 100

 AGI 50


 昔の勘を取り戻し始め、2人で戦うのに慣れてきた俺たちはどんどんと奥に進んでいく。

 未だにボス戦以外での被弾がほぼゼロという奇跡を起こしながら進んでいるがそろそろ限界が近い気がする。


 攻撃に当たった時は一気にHPが削り取られ、レッドゾーンに突入するほどだ。

 こちらのダメージは通りずらくなってきていてレベル差による限界が見え始めた。


 いくらプレイヤースキルに依存するこのゲームでもレベルという絶対的な数値をひっくり返すのは難しいのだ。

 出来ないとは言わないがほぼ不可能、そんな戦いが連続して続くと俺たち2人は疲弊して行った。


「……」

「……」


 お互い報告以外の会話が徐々に減っていき、周りから見ればもうとっくの昔に限界を過ぎてると言われてしまう程には疲弊しているように見える。

 それでも俺たち2人、どちらのあゆみも止まらないのはさらに新しい景色を見るため、最前線で誰も見たことの無い、体験したことの無いものを体験するため。


 そして、俺たちのその努力は報われることになる。


「見て、あれ!見てよ!イオリ!やったわ!」

「うぉっしゃぁぁぁぁ!!」


 目の前に見える新しい町。

 そう、俺たちは誰よりも早く次の街にたどり着いたのだ。


 最初俺たちがきた町よりは少し小さい。

 そこまで大きい訳では無いがそれでも進展なのだ。

 各町には俺たちが使える転移魔法陣が設置されておりそれに乗ることで街と街を行き来できる。

 使用料を取られてしまうがまあ移動時間を考えるとそんなものだろうと妥協できる。


「止まれ!……開拓者か?」

「はい、そうです」

「よくここまで来れたな、マルゼラ様たち領主の見立てではもう少しかかるという話だったが」

「無理やり森を突破したので」

「なかなか腕は立つようだ、まあ大したもてなしも出来ないが入るといい、冒険者ギルドはここを真っ直ぐ行って中央十字路を右に曲がると見えるぞ」


 俺たちは案内された道を進みながら当たりを見回す。

 街並みは最初の街と大して変わり映えする訳ではなかった。

 売っている商品もあまり変わらないし、ここは中継地的な扱いなのだろうか?

 この先に進めば何かもっと大きな町があるのかもしれない。

 そして俺たちは冒険者ギルドに入る。


「誰か帰ってきた見たい……開拓者!?」

「えっと」

「みんな!来て来て!開拓者さんが来たよ!」


 俺たちが状況を飲み込む前にカウンターの奥から受付嬢達がぞろぞろと出てきて俺たちをじっと眺める。

 物珍しそうな目を向けられてどうしていいか分からなくなったその時。


「コラ、あなたたち持ち場に戻りなさい!」

「はーい」

「すみませんね、開拓者様、もう少し後に来るものだとばかり思っていたのでみな珍しがっているんです」

「そうなんですね」


 この様子見ていると本当にこの世界は動いているんだなと分かる。

 先程から出ている話を繋ぎ合わせると各街で連絡を取りあったり開拓者を迎えるために準備をしていたりするんだろう。


「ささ、まあ、この街は特に特典もなければ変わったこともないですがこの先をもう少し進むと王都が見えるはずですので頑張ってください」

「王都ですか?」

「そうですね、まあ最初の頃の王都に比べれば見劣りしますが人々が100年かけて復興した第2の王都があるんですよ」


「王都では何かできたりするんですか?」

「えぇ、王都では職業の進化が行えます、他にもいろいろありますがそれは行ってから自分達で調べてみるのも旅の楽しみかなと思いますよ、職業を進化させるというのは強くなるための近道ですから頑張ってくださいね」

「ありがとうございます」

「いえいえ、何か依頼を受けていかれますか?」

「いえ、また今度来ます」

「そうですか、ではまた」


 俺たちが冒険者ギルドを出るまで見送ってくれた。

 特に街ですることもないということで宿を取ってもう一度ログアウトすることになった。

 もちろん宿は別室だ。

 ちょっと残念に思った俺がいるのは墓場まで持って行く秘密になるだろう。




 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 あれ、最初の街の名前とか開示してなくね?

 鍛冶屋のおっちゃんの名前も分かってなくね?

 近いうちに出します……

 グダグダですみません……


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