戦闘狂がVRMMOでかつての仲間と最前線を駆ける！

第18話

「危ないっ」

「うぉっ」

　頭上から来た猿に気づくことが出来ずに不意打ちをされそうになったがセナが何とかカバーしてくれる。

　先程からぼーっとしていて奇襲を仕掛けられることが増えた。

　気を引き締め直さないとと思いつつもどうにも気持ちが元に戻らない。

　やはり、セナのことを意識してしまったのが原因だろうか……

「もうっ、しっかりしてくださいよ」

「ごめんごめん」

「次はカバーしてあげませんよ？」

「気をつけるよ」

　気を引き締めろ俺！

　そう思いながらもセナのことを考えてしまう。

　初恋の人が目の前にいて、それがリアルでもあったことがある人になってしまっている事実に浮き足立つ。

　今は彼氏がいないのだろうか？

　あの集まりにいたし居ない……よな？

　気づけばそんなことを考えてしまうほどには昔のセナという存在が俺にとっては特別なのだ。

「……避けてませんか？距離が明らかに遠くなった気がするんですけど」

「あ、いや、その、セナはセナでセナが長谷川さんなんだって思うと接し方が分からなくなったというか、なんというか」

「ふふっ、なんです？それ、ずっと私は私だって言ってるじゃないですか」

「そう言われてもな……」

「もしかして敬語じゃない方が好きだったりするの？」

「そう！っ！いや、違うくて」

　思っていたことを当てられてしまって思わず肯定してしまう。

　気持ち悪くなかっただろうか、距離が近い、がっつきすぎたか？引かれてないかな……

「男の人って、みんなこういう清楚？というか敬語の女の子が好きなんじゃないの？」

「い、いやぁ、人によるんじゃないかな」

「そう、なんだ、なんだかちょっと恥ずかしいけどイオリくんがそこまで言うなら敬語をやめてあげるよ」

　昔のような、軽い友達のような接し方をしてくれるセナに惹かれて仲良くなって好きになったのだ。

　敬語を使われるよりはこっちの方がセナって感じがしてとても嬉しい。

「あり…がとう」

「照れてる？」

「そんなことねぇし」

「勢いがないじゃん、図星だね」

　少し、レティアの頃に近づいた気がする。

　まだ俺もセナも少しぎこちなさを感じるけど、ほんの少しだけ昔に戻れた気がして懐かしくて嬉しい気持ちが溢れてくる。

「そ、それじゃ、進もう！今度は本当にカバーしないから！」

「気を引き締めるよ」

「うん！そうしなさい！」

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　ほんと短くてすみません

　また次は冒険に変わるのでここらで恋愛の進展をサクッとしてVRMMO感をもっと押し出したいです。

　レティアの頃のセナ

　元気いっぱいで諦めが悪い少女。

　頭がキレる天才でだいたいのことはそつなくこなし、周囲を驚かせてました。

　しかし、レティアでは不遇の職業である召喚士を選んでいたのでどこに行っても煙たがられ、そろそろパーティプレイを諦めるというところでイオリに出会います。

　天才だ天才だと言われてきたセナが驚く程にはイオリのゲームセンスはずば抜けていて、スキルありのなんでも勝負だとセナが勝つことはできませんでした。

　それから2人で攻略を進めることが増え、途中でとある夫妻が仲間になり最前線まで上り詰めました。

　ゲームの中でなら天才だと言われている自分でも負けることがあるし、張り合い続けてくれるイオリの存在に惹かれて行きます。

　ゲームが終了してからはいつかイオリに会った時に好きになってもらうために美容に気を使うようになったり、男性の趣味嗜好を探るために本を読んだりしました。

　お嬢様学校にいたのが原因で偏った知識を直すことなく持ち続けた結果、清楚なお嬢様が出来上がります。

　恋愛小説は別の書きますので！

　現在書きだめ5話……いつかここに宣伝が乗ります！

　多分、きっと、めいびー