第17話

『《ワールドアナウンス》初めて小規模開拓地が解放されました。

これよりワールドクエスト《失われた景色》が開始されます』


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俺たちがドロップアイテムを見ようとした瞬間のことだった。

突如ワールドアナウンスが流れて目の前に称号獲得の文字が現れる。


森の救世主 Lv1

野生動物からの好感度がアップ


ドロップアイテムは甲羅や尻尾に目玉や肉などいろいろとあったのだが気になるのはこれだ。


呪われた指輪


アイテムを実際に出してみると触れているだけでデバフが付き始めたのだ。

鈍足や微量の持続ダメージというこの指輪は特につけるメリットもなく、ただデバフを振りまく指輪だけの指輪のようだ。


「気になるね」

「セナの方はドロップしたのか?」

「してないから、運が悪かったのか、ひとつしか落ちないのか分かんないけど、どうやって使うんだろうね」


確認することは山ほどあるので一旦指輪をインベントリに戻す。

次に確認するのはワールドアナウンスの詳細だ。


「これ、表記ミスとかじゃないですよね」

「た、多分?いきなりエンドコンテンツを見せられた気分だけど」


メニューから見れるクエスト一覧にでかでかと表示されているそれは500万分の1と表示されている。

バグとも思えるその数字に驚きつつも、冷静に考えてみれば案外少ないくらいなのではと思える。

数百人のプレイヤーがいて、1パーティで解放できるのが小規模開拓地なのだとすれば、無理だと言うほどの量ではないことが分かる。


「配信切っておこうか?」

「変なやっかみが増えても面倒そうですし、少しの間は非公開にしておきましょうか」

「そうだな」


ただえさえ、PvPのせいで目立っているのだこれ以上話題に上がってこのゲームの邪魔をされるのは面白くないのでもう少し解放件数が増えたあたりで出そうということになった。


「まだ進みますか?」

「俺は剣の耐久値も回復薬もあるけど」

「私も多少は魔石を消費させられましたけど道中のザコ敵から回収してるので大丈夫ですよ」

「なら行こうか」


そういいながら俺たちが立ち上がる。

先程までパネルとにらめっこだったので気づかなかったのだが目の前には景色を取り戻せの答えが見えていた。


濁った湖は綺麗な澄んだ青色に

生き物の気配がなかった森からは生き物が

森にいるあらゆる生き物が自分達の憩いの場が帰ってきたと言わんばかりに集まってきていた。


「綺麗ですね」

「そうだな、景色を取り戻すってのはこういうことか」

「……あの、ツーショット撮りませんか?」

「え?」

「……ほら!こっち!」


セナに引っ張られて、湖に背を向け空に浮かび上がったカメラマークを見る。


カシャっ


セナからスクリーンショットが共有されました。


そんなシステム音声を聞いて送られてきたものを開くと綺麗な森の真ん中に2人、セナと俺が立っている写真あった。


「レティアの頃みたいで懐かしいでしょ?」

「……あぁ」


ほんの少しだけ、レティアの頃のセナと今のセナが重なったように見えた。

レティアの頃にもこうして2人で写真を撮ったり、4人で写真を撮ったりと色んなところで写真を撮ったはずだ。


生き生きしていて元気でみんなを引っ張るような女の子。

俺の初恋の女の子がもう一度、俺の目の前に現れた。


「んんっ!それじゃ、さらに進みましょうか」

「そ、そうだな」


直ぐにまたいつもの敬語に戻ってしまった。

またもう一度あの姿を見てみたい、そんな漠然とした想いが心に残った。




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遅れてごめんなさい!!

週間SFランキング9位見えてたんですよ!

投稿したかった!

課題との16時間の格闘の末、私は完全勝利を納めましたのでこのまま駆け上がりますよ!!


徹夜で頭回ってないのでおかしいところがあれば報告していただけると嬉しいです!

応援よろしくお願いします。

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