第15話 最前線の景色

「あ、あのじゃあ特にすることもないので二人で行けるところまでいってみませんか?」


セナから提案されたのはフィールドを突き進み、行けるところまで行ってやろうというチャレンジのお誘いだった。


「もちろん、いいよ」


レティアの頃のメンバーが全員揃っているわけじゃないがセナはかなり万能なサポートとサブ火力を出してくれるので二人でも問題ないはずだ。

街で回復薬やMP回復のポーションや毒消し、簡易砥石等々、いろいろなものを買いそろえていく。

依頼の報酬でかなり懐が潤っていたので物資をそろえてもお金が余ってしまったので剣をもう一振り買うことにした。


「イオリくん、なんでもう一振り剣を買ったんですか?」

「ん?、あぁ、この剣見てくれよ」

「うわ!?、なんです?この化け物装備」

「攻撃力は高いけど、耐久値が少ないから苦戦するまでの繋ぎの剣だよ」

「そうなんですね、さっきの戦い直撃を食らってたら負けてたのは私でしたね」

「惜しかったと思うんだけどな、、、」

「甘いですよ、現実とあまり変わらないうちは私のほうが強いんですから」


どや顔でこちらを煽る姿はレティアの頃と変わっておらず懐かしさを感じる。

口調はまだ少し固くて、長谷川さんを思わせるようなそぶりも所々に感じて、同一人物なのだと分かる。

少しドキドキする気持ちを抑えながら、切り替えて街の外を目指す。


「あ、イオリ君、セトラからの機能らしいんだけどゲーム内にも配信機能が追加されたらしくって自分たちの記録を残せるんだってやってみない?」

「いいかもな、独占したい情報なんかは消せたりするのか?」

「うん、遅延をかなり長い時間かけれるっぽくて止めたり、消したりとかいろいろできるみたいだよ」

「なら、試しにやってみるのもありかもな」


記録を残せるというのはなかなか魅力的だ、この膨大な人達の中で初めて見た景色を自慢できるというのはなかなかに楽しい。


街の外に出て、森を突き進む。


熊や猿、兎、虫、鳥、ゴブリン、トレントなどなど。

色んなモンスターを見つけた。

蜂以外には喧嘩を売ってみたのだが、トレントは絶望的にめんどくさい。

火が使えれば楽に倒せそうな気がするのだが、このパーティは誰も火を使えないのでかなり大変なのだ。


「わぁ、綺麗……」

「すごいな」


森を突き進む途中に開けた場所を見つけた。

そこには大きな湖があり、森の中にポツンとあった湖は何かありますよと言わんばかりの存在感を放っている。


「ねぇ、ボスとか居そうじゃない?」

「分かる、強敵の予感がする」


俺たちの予想は的中していた。


湖に近づくと何やら小さい小島の様なものが見えてきた。

その大きな小島は、のっそりと首を水から出してこちらをじろりとゆったりとした動きで見てくる。


体の全貌が見えたあたりで亀は口を大きく開いて開戦の合図かのように水のビームを放って来た。





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作者

ちょっと色々かれこれほりゃならりんがありまして、投稿遅れました。

次回は亀との戦闘です!

作者は課題と戦っていますが……


それと、SFランキングが10位ですよ!

え!?って感じですよね


いつも読んで応援してくださっている方には感謝してます!

今後とも応援よろしくお願いします。

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